第4回「日中未来創発ワークショップ」が東京で開催
笹川平和財団笹川日中友好基金が主催し、公益財団法人・日本科学協会が協力する第4回「日中未来創発ワークショップ」が18日と19日の2日間にわたり、東京で開催され、東京大学や武漢大学などの中日両国の大学生約70人が参加した。人民網が報じた。
今回のワークショップは、「私達が実現したい『未来の生活』」がテーマ。参加した大学生たちは、東京タワーや浅草寺、渋谷といった東京の有名なランドマークやスポットに足を運ぶフィールドワークや基調講演、チーム別ディスカッションを通じて、相手国の生活や文化に対する理解を深め、「未来の生活」の発展の可能性について語り合った。
共感を呼んだゲストの経験
参加者の質問に答えるゲスト(撮影・蒋暁辰)。
インフルエンサーの山下智博さんや声優の劉婧犖(セイラ)さん、清華大学の博士の于智為さんらがゲストとして基調講演を行い、自身の経験などを語った。
山下智博さんは、自分が中国に行ったばかりの時の経験を例にして、現地の人々と友達になり、積極的に交流することの大切さを強調した。また、アニメ好きな女の子から中国と日本で活躍する声優へと成長した、劉セイラさんの勇気を出して夢を追いかける経験に、大学生たちは強い共感を覚えていた。于智為さんは、長年従事している中日文化交流の経験を語り、大学生たちに、「勇気を出していろんなことを感じ、考え、行動しよう」とエールを送った。
共に未来の生活の青写真描く中日両国の大学生
チーム別ディスカッションの様子(撮影・蒋暁辰)。
チーム別のディスカッションで、大学生たちはフィールドワークで感じたことを振り返ったほか、未来の生活に対する思いを語り合った。中国人大学生たちが自分の目で見た文化の違いを書き出した付箋には、「日本にはバリアフリー施設がたくさんあり、障がい者にやさしい」や「広告にも漫画の要素がたくさん取り入れられている」といった内容が綴られていた。
ディスカッションの成果を語る大学生(撮影・許可)。
大学生たちは、「人と自然の共生」や「ごみ処理」、「観光・旅行」などをテーマにして、AIやVRといった最先端科学技術を駆使しながら、素晴らしい「未来の生活」を描き出していた。
日本科学協会の渡辺雄一郎理事や国観智庫の任力波総裁、浙江越秀外国語学院・東方語言学院の邱鳴院長らは、大学生たちの豊かな想像力や観察力、チームワークなどを高く評価し、「未来は若い世代のもの。両国の青年が相手国の文化に対する理解を深め合い、対話、交流を強化することを願っている」と語った。
記念写真を撮影する主催者とゲスト(撮影・蒋暁辰)。
中国に留学した経験がある、早稲田大学の高橋健一さんは今回、ボランティアとして、上野や原宿などを巡るフィールドワークに大学生を案内した。初の日本訪問という武漢大学で日本語を専門に学ぶ辛宸さんと、福州大学で日本語を専門に学ぶ林子晗さんは、日本の街中にあるカプセルトイや屋台・商店などに興味津々といった様子だった。
フィールドワークの案内をする高橋健さん(撮影・蒋暁辰)。
ワークショップに参加するのは3回目という早稻田大学4年生の大野晃照さんは、「中国人の大学生との交流を通して、両国のライフスタイルや考え方の違いを知ることができた。そして、中国文化や中国の社会に対する興味も深まった。今後は中国の若者ともっと交流や協力を通じて、新たな考えなどを見つけていきたい」と話していた。
第4回「日中未来創発ワークショップ」会場の様子(撮影・蒋暁辰)。
2022年から開催が始まった「日中未来創発ワークショップ」は、中日の青年間の交流や対話を通して理解を深め、さらに安定した両国関係をいかに築くか考えることを目的としている。今回のワークショップには、「笹川杯全国大学日本知識大会」や「笹川杯本を味わい日本を知る作文コンクール」、「笹川杯日本研究論文コンクール」などの受賞者である中国の大学生約40人が招かれた。また、「Panda杯全日本青年作文コンクール」の受賞者がボランティアを務めた。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年2月21日