外資系企業が新疆に期待 その理由は?

2024-06-18 16:48:00

「新疆維吾爾(ウイグル)自治区にはたくさんのチャンスがあり、投資家が来て発見されるのを待っている」。これは、オランダの輸送サービス企業のアルブラス・トランスポートのヘンドリック・シブランド・アルブラス運営ディレクターの見方だ。人民網が伝えた。

チャンスはどこにあるのか。同自治区烏魯木斉(ウルムチ)市の烏魯木斉経済技術開発区(頭屯河区)を訪れると、2つの外資系企業から、答えの一部が見えてくる。

倉庫からポリ塩化ビニル(PVC)顆粒や自動車部品などの貨物を積み込み、アルブラス運輸(新疆)有限公司の貨物輸送トラックが烏魯木斉国際陸港区をゆっくり走り出て欧州へ向かった。2009年、この多国籍企業は中国本部を上海から烏魯木斉に移した。中国の西部大開発というチャンス及びユーラシア大陸を貫く「ゴールデンルート」に位置する新疆の地理的優位性を評価しての決定だ。アルブラス氏は、「東西を結ぶ場所にある新疆の地理的位置は、国境を越えた道路の貨物輸送に極めて大きな利便性をもたらした」と高い信頼感を示した上で、「当社の目標は中国東部の顧客の貨物が欧州に到着するまでの時間を10日以内に短縮することだ」と述べた。

同じように新疆の地理的優位性を評価する海外の企業家に、ウルムチ・スラブ食品販売有限責任公司の責任者のクラシコ・ポール氏がいる。ポール氏は、「新疆とカザフスタンは国境を接しており、これは一つの強みだ。当社が中国に輸出する冷凍食品はベラルーシから輸送され、カザフスタンを通過し、中国・新疆に到着すると通関手続きが終わり、それから中国のさまざまな都市の協力パートナーの元へ送られる」と説明した。

烏魯木斉経済技術開発区(頭屯河区)の外資系企業サービスセンターで事業関連の政策について問い合わせをしているウルムチ・スラブ食品販売有限責任公司の責任者のクラシコ・ポール氏。(撮影・韓婷)

烏魯木斉経済技術開発区(頭屯河区)の外資系企業サービスセンターで事業関連の政策について問い合わせをしているウルムチ・スラブ食品販売有限責任公司の責任者のクラシコ・ポール氏。(撮影・韓婷) 

今年1月、ポール氏の会社は新疆・中央アジア相互(国際)インキュベーターの支援を受け、中国(新疆)自由貿易試験区ウルムチエリアで登録を終えた。翻訳、税関申告、物流の相談など、同開発区(頭屯河区)の外資系企業サービスセンターのワンストップ式サービスホールでは、中国と中央アジアの相互接続が「つきっきりサービス」に基づいて行われ、「ワンストップ受理」、「支援・代行」、「全力で解決」のサービスモデルが採用され、新疆にやって来た外資系企業の就労、起業、ビザ、生活などを巡る一連の困難や要求が正確に解決され、企業と政府を結ぶ架け橋になっている。これまでに14ヶ国の企業がこのエリアに進出するのをサポートした。

ここ数年、中国が西部への開放と「一帯一路」(the Belt and Road)中核エリアの建設を踏み込んで推進するのにともない、新疆が西部への開放の重要な玄関口になった。周辺国との各分野における幅広い協力が深化するにつれ、今では新疆の経済貿易分野における「友情の輪」が広がり続けている。

2023年11月に設立された新疆自由貿易試験区に対し、アルブラス中国法人のディリシャティ・マイマイティ首席代表は、「自由貿易試験区の優遇政策がより多くの輸出入貨物を呼び込んでここに集結させ、道路輸送により多くの貨物資源を提供するだろう」と大きな期待を寄せた。

現在、アルブラス社にはトラックが600台以上あり、1台で80-90立方メートルの貨物を積むことができ、毎日約10-15台が中央アジアと欧州に向かう。ディリシャティ氏は、「今年は再投資してトラックを30-40台増やす計画で、また今後3年以内に輸送力としてトラック100台を投入する計画だ」と述べた。

地理的優位性とビジネス環境の改善以外にも、新疆の経済貿易と投資を活発にするものには、「一帯一路」をめぐる政策の意思疎通、施設の相互接続がもたらした発展のボーナスもある。

烏魯木斉国際陸港区をゆっくり走り出るアルブラス運輸(新疆)有限公司の貨物輸送トラック。(撮影・韓婷) 

アルブラス氏は、「『一帯一路』イニシアティブが提唱されてから、インフラの改善、国家間の協力強化が、一定期間内の輸送の効率を高めた。当社もシルクロード経済ベルトにおいて貿易と貨物の量が年々増加していることを、この目で確かめてきた」と述べた。

注目の場所である新疆には新しいチャンスが絶えず生まれ、新疆は胸を広げてより多くの中国・海外の投資家を迎え入れようとしている。(編集KS)

「人民網日本語版」2024年6月17日