中国、科学技術イノベーションによる海洋経済の発展を加速
無限の活力を秘めた青い海は、各国の科学技術イノベーションの重要な分野の一つだ。中国沿海地域の最前線を訪れると、複数の基礎的、独創的、先見的な海洋科学技術イノベーションの成果が現在、中国の海洋経済を推進する「青いエンジン」になっていることが分かる。紅網が伝えた。
天津大学青島海洋技術研究院の無人潜水機制御センターのディスプレイでは、黄色の「魚」たちがひときわ目を引く。夜も更けていたにもかかわらず、同大学機械工程学院の楊紹瓊教授と同僚らは「魚」の潜水データに注目していた。
これらの「魚」は同大学の科学技術チームが研究開発した「海燕」シリーズ水中グライダーだ。新型自律型無人潜水機(AUV)としてのこれらは、「クジラ」のような流線型の外観を持ち、「ウミツバメ」の滑空を真似ることができる。水中観測設備またはセンサーを搭載し海洋を移動する際に、深海観測や科学研究に豊富なデータを提供することにより、海洋資源の開発や漁業管理などを保証する。
今や「海燕」シリーズ水中グライダーは次々と成果を刷新している。その最長航続距離は7600kmを突破し、中国北極科学観測などの国家重要プロジェクトに参加している……。中国はここ数年「海燕」だけではなく、海洋ハイテク分野における総合力が持続的に向上している。
作業中の天津大学深海スマート設備「海燕」の研究開発チーム。
深海研究の面では、「奮闘者」号は中国の有人潜水艇の新記録を達成した。中国は世界で2番目に1万m有人深海潜水を実現した国になった。
船舶製造の面では、今年の新年初日に鳴り響く大きな汽笛とともに、中国初の国産大型クルーズ船「愛達・魔都(ADORA MAGIC CITY)」が上海呉淞口国際クルーズターミナルを出港し、初の商業航海を開始した。これにより、中国は航空母艦、大型液化天然ガス(LNG)運搬船、大型クルーズ船という世界の造船業の3つの「王冠に輝く宝石」を手にした。
海洋エネルギーの面では、「深海1号」大型ガス田は中国が現在まで独自に発見しているうち水深が最も深く、探査・開発の難易度が最も高い海上超深水ガス田になった。その稼働開始は、中国海洋石油探査・開発能力の300mの深水から1500 mの超深水への歴史的な飛躍を示している。
中国自然資源部(省)が発表したデータによると、中国の2023年の海洋総生産額は前年比6.0%増の9兆9097億元(1元は約21.9円)だった。うち技術のブレイクスルーが産業発展の新たな原動力の創出を加速させている。
天津の国家海洋博物館に足を踏み入れると、先進的な海洋科学技術成果展示品の数々に目を奪われ、「雪竜2」「蛟竜」と書かれた2点の模型展示品の前では多くの観光客が撮影を行っていた。これらは科学技術イノベーションを加速させ、青い海を取り込む中国の縮図だ。「ブルーテクノロジー」は新しくなり続け、中国の海洋経済発展の無尽蔵の原動力になっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年6月21日