パンダの世話が勉強? 中国初のジャイアントパンダ学院の新入生募集がスタート
中国初のジャイアントパンダ学院の新入生募集がこのほど、正式に始まった。学部生50人を受け入れる計画で、昨年発足した同学院の初の新入生となる。
四川省林業・草原局と西華師範大学が共同で設立したジャイアントパンダ学院は、パンダの保護・研究を中心とし、西華師範大学生命科学学院を基礎に新設された二級学院となる。学部と修士課程が設けられ、パンダ保護・研究人材チームビルディングを中心とし、国のためにジャイアントパンダ国家公園や自然保護区といった保護の第一線で業務を展開することができる専門人材育成に立脚している。
ジャイアントパンダ学院ではどんなことを学ぶのだろうか?パンダの日常の世話から竹林、そして先端テクノロジーまで、そのカリキュラムの内容は多岐にわたっている。
西華師範大学希少動植物研究所の所長を務めるジャイアントパンダ学院の韋偉教員は、「学生にはパンダの飼育や繁殖、病気予防といった実習に参加する機会が与えられる。また卒業後、学生はジャイアントパンダ繁殖基地や動物園などに就職して、飼育員として活躍したり、自然保護区の第一線でパンダの保護活動に従事したりすることもできれば、さらに修士課程に進み、パンダの習性や保護の必要性を踏み込んで学んだりすることもできる。当学院の教員は生命科学学院の教員が教壇に立つほか、中国科学院動物研究所や中国ジャイアントパンダ保護研究センターといった専門機関の専門家22人を招き、当学院の専門家委員会の委員を務め、その専門知識と知恵で支援してもらうことになっている」と説明する。
ジャイアントパンダ学院の主力学科である野生動物・自然保護区管理学科では、動物学や植物学といった総合性学問のほか、パンダ保全生態学研究の進展といった方向性を絞った特色ある学問も学ぶことができる。また、学生がパンダに触れることができる実習の機会も設けられている。
西華師範大学林学講座の主任を務めるジャイアントパンダ学院の黄燕教員は、「大学1年から3年まで、研修と実習がある。学生は栗子坪や唐家河といった国家級ジャイアントパンダ保護区のほか、科学研究所や動物園などで研修と実習に参加して、パンダの生息地や野外での状況、飼育、繁殖などについてじっくりと学ぶことができる」と説明する。
西華師範大学は、野生のパンダ生態学の分野の研究を最も早くから始め、最も長く続けている高等教育機関で、「パンダ大学」と称されている。そして、「中国のジャイアントパンダの父」と呼ばれた胡錦矗氏や、中国科学院の院士である魏輔文氏といったパンダの科学研究者を数世代にわたって輩出してきた。
ジャイアントパンダ学院の野生動物・自然保護区管理学科は中国全土から50人の新入生を募集している。四川省から35人、省外から15人を受け入れる計画で、合格ラインは中国大学統一入学試験(通称「高考」)の成績が500点から530点の間としている。同学院の教員は、「第一陣の新入生が4-7年の学習を経て、野生動物保護・研究の分野の大黒柱へと成長することを願っている」としている。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年7月10日