中国の北斗3号基本システム、グローバルサービスを開始

2018-12-29 12:42:37

 

27日午後に開かれた国務院新聞弁公室の記者会見で、中国衛星測位システム管理弁公室主任を務める北斗衛星測位システム報道官の冉承其氏は、北斗3号基本システムが完成し、同日よりグローバルサービスを開始したと発表した。これは北斗システムのサービス範囲が地域から世界に拡大し、北斗システムは正式にグローバル化の時代を迎えたことを意味する。人民日報海外版が伝えた。

北斗システムは中国が独自に建設運行する、世界のその他の衛星測位システムと互換性を持つグローバル衛星測位システムだ。全世界全天候24時間型の高精度かつ信頼性の高い測位ナビ時報サービスを提供できる。北斗システムの建設は90年代に始まる。「3ステップ」発展戦略に基づき、アクティブからパッシブへ、地域から世界へと進んでいった。北斗123号システムを作り、中国の特色ある衛星測位システムの建設の道を切り開いてきた。

◆世界各地でサービスを利用可能

北斗システムの軌道上を飛行中の衛星と地上システムは現在、安定的に稼働している。世界範囲で行われたテストと評価によると、システムの性能は狙い通りの目標を達成しており、グローバルサービス能力を持っている。

新たに発表された北斗システムオープンサービス性能マニュアル(2.0版)によると、北斗システムのサービス性能は次の通り。サービスエリアは全世界で、測位精度は水平方向10メートル、垂直方向10メートル。速度測定の精度は0.2メートル毎秒で、時報の精度は20ナノ秒。システムサービスの稼働率は95%以上。うちアジア太平洋での測位の精度は5メートル、垂直方向は5メートル。「一帯一路」(the Belt and Road)関係国地域を含む世界各地で、北斗システムのサービスを利用できる。

計画によると、中国は2019−20年にさらに北斗3号衛星を11基、北斗2号衛星を1基打ち上げる。アジア太平洋でのサービスを強化すると同時に、グローバルサービス性能を高める。後続の衛星によるネットワークを構築後、世界一流の衛星測位サービスを提供する。

◆長足の進歩を遂げた北斗システム

北斗システムは中国の改革開放40年の重要な成果の一つになっている。北斗システムは現在、中国の国民経済、国防安全、国民生活などで広く応用されている。同時に海外進出し世界に恵みをもたらし、長足の進歩と顕著な効果を獲得している。

産業規模が拡大を続け、競争力が大幅に強化された。中国の北斗測位サービスの関連企業は14000社にのぼり、就業者は50万人以上に達している。一連の実力ある衛星測位企業が生まれている。国産北斗チップは28ナノ級の技術を確立している。中国の衛星測位特許出願件数は累計54000件にのぼり、世界最多となっている。

応用範囲が拡大を続け、規模と水準においては日進月歩となっている。交通運輸、海洋漁業などの分野での応用が進化し続けている。全国の道路運輸車両617万台、郵便と宅配便車両35600台、中心都市36都市の路線バス8万台、内陸河川ナビゲーション施設3230カ所、海上ナビゲーション施設2960カ所が、北斗システムを使用している。一般国民の応用について、北斗はスマートフォンで大規模応用を実現している。国内市場で販売されているスマホの大半が、北斗測位機能をサポートしている。

グローバル化の新たな進展により、北斗は海外で広く称賛を浴びている。北斗は国際民間航空、国際海事、国際移動通信などさまざまな国際組織基準に加入している。国際民間航空機関(ICAO)は北斗衛星強化サービス商標ナンバーと基準時間ナンバーを承認している。国際捜索救助衛星機関は北斗を世界衛星捜索救助システム計画に組み入れ、全世界のユーザーに危険通報サービスを提供している。

北斗システムはさらにスマート都市、減災災害救助、農林林業、気象環境、機械精密制御などの分野で応用されており、大きな経済社会効果を生んでいる。

 

「人民網日本語版」20181228

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