今年以降、四川省蓬安県は産業の発展を優先事項として位置づけ、新たな原動力を育むことで新たな優位性を確保し、全県の経済と社会の発展は「着実な進展と質の向上」の良い傾向を見せている。 

夏真っ盛りのある日、蓬安工業パークの南充英米派諾ディスプレイテクノロジー有限公司の生産工場では、自動化された生産ラインが全速力で稼働しており、作業員は分業体制でそれぞれのポジションにつき、注文に追われていた。 

「当社の電子製品は主にスマート交通、スマート医療、スマートオフィス、携帯電話、車載関連製品、商業ディスプレイなどの分野で使われています」と、同社責任者は語る。 蓬安県の主な投資誘致企業として、同社は2億元を投資し4つの新たな生産ラインを新設した。フル稼働の場合、年間生産額3億元以上も可能だという。 

四川中兆永燁半導体有限公司の生産工場には真新しいスマート生産ラインが整然と並び、作業員はスマートディスプレイを通じて生産ラインの状況を把握している。同社は集積回路のパッケージング、テスト、半導体ストレージデバイスの開発、生産、販売を一体で行う革新的な科学技術企業を用い、現在は第二期プロジェクトを急ピッチで進行している。 

蓬安工業パークの標準化工場と関連施設建設プロジェクトの施工現場では、機械が休みなく稼働し共同作業を行う多忙な建設現場の様子を見ることができる。 この新たに整備された30万平方メートルの工場は、労働者向け賃貸住宅、パーク内産業総合体や工業用汚水処理場の建設も行われている。現在は竣工予定の2025年に向け、急ピッチでの作業が行われている。 

目下の蓬安県は現代化産業発展の需要に焦点を当て、技術革新を加速し、積極的に高等教育機関や科学研究機関とマッチングしてイノベーション協力を展開。政府、産業、学術研究、利用者による協同イノベーションプラットフォーム構築し、蓬安における科学技術成果の転化と応用、関連プロジェクトの実行と生産を促進している。 

今年に入ってから、蓬安県は心血を注いで企業の発展を力強く支持し、重点工業の企業家向けシンポジウムを開催して意見と提案に耳を傾け、グリーンチャンネルサービスの効果を最適化しつつより強化し、「一企業一政策」をもって企業の抱える問題解消をサポートし、企業の技術改善とアップグレードの達成、さらに「知恵の転換」「スマート改造・デジタルトランスフォーメーション」の実施を支援し、企業の資金繰りを助け、企業の「統一アップグレード」を推進している。また、企業の技術アップグレードと「知的変化とデジタル化」の完成をサポートし、「昇規入統（一定規模以上の企業に昇格し、関連統計の対象に組み入れること）」の支援も行っている。 

蓬安県は主要産業のより早い成長を全力で後押しし、鋭い洞察力で新たな質の生産力に関する発展の機運を把握し、率先して工業の新たな競争分野に拠点を構え、電子情報産業の関連企業の集積を加速させ、エネルギー産業の多様化、飼料加工、穀物と食用油及び食品加工、青果物加工など各産業における競争による発展、農産物加工産業システムの更なる完備を目指している。 

夏休みを迎える今は、エコツアー、古鎮ツアー、スタディーツアーの人気が高まっている。6月27日には時速250キロメートルの巴南高速鉄道が開通し、蓬安県内外の移動が容易になり、地元経済と社会の発展に新たな原動力をもたらした。 

蓬安県百牛渡江景勝地では、角笛の音に呼応した百頭以上の水牛が、水と草が豊富な中洲に向けて泳ぐという、嘉陵江でしか見られない光景が見られる。次々に変わるその群れの形はさながら水上バレエのようだと観光客の人気を集め、記念撮影をする人々で賑わっている。 

「朝、家族と一緒に高速鉄道で蓬安に来ました。まずは『百牛渡河』、次に景勝地から周子古城までの遊覧船に乗り、それから他の観光スポットを回るつもりです。 夕方にはまた高速鉄道で南充市に移動し市内を散策し、高速鉄道で巴中に戻る予定です」と、 巴中からやってきた張小帥さんはプランを語る。 

現在建設中の成達万（成都-達州-万州）高速鉄道も、蓬安県を通過する予定だ。蓬安県の関係責任者は、「その頃には、蓬安県が3つの鉄道の 『大動脈』を有することになります。それが、経済、文化、観光など多くの分野に恩恵をもたらすでしょう」と期待を寄せている。 

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