最新調査 オンライン交流依存で「対人関係能力が低下」68.0%
オンライン交流が普及しているほか、コミュニケーションツールが急速に発展しているのを背景に、多くの人の人付き合いの習慣やライフスタイルにも変化が生じている。中国青年報社・社会調査センターがこのほど問巻網と共同で1335人を対象に実施した調査によると、回答者の56.6%が「電話が怖い或いは電話に出るかためらう」と答え、年齢が若くなるほどその傾向が際立っていた。また、長期間オンライン交流に依存しているため、回答者の68.0%が「対人関係能力が低下した」と感じていた。中国青年報が報じた。
オンラインでのコミュニケーションを好む人が過半数、若者はより顕著
テクノロジー分野のブロガーである周宏さんは普段、基本的にオンラインで他の人と交流し、知らない電話番号から電話がかかって来ると少し「拒否反応」が出てしまうという。「出るか迷うが、ほとんどの場合は拒否する。たまに出ても、相手が話し始めるのを待つ」と周さんは話す。
北京のある大学に通う女子大生・趙婧さんはここ数年、電話がかかって来ても出るかためらうようになり、「微信(WeChat)を利用し始めてから、通話することはめったになくなった」と話す。
今回の調査では、回答者の56.6%が「電話が怖い或いは電話に出るかためらう」と答えた。男女別で見ると、その割合は男性(60.1%)が女性(53.7%)を上回った。年齢別で見ると、年齢が若くなるほどその傾向が際立っており、00後(2000年以降生まれ)の割合が61.6%で最高、次に90後(1990年代生まれ)が58.5%で続いた。
その他、回答者の53.0%が、「オンラインでコミュニケーションを取り、用事を済ますのが好き」と答えたのに対して、19.9%が「対面」を好み、27.1%は「どちらとも言えない」と答えた。具体的に見ると、年齢が若い人ほどオンラインでコミュニケーションを取る傾向にあり、00後の割合が63.2%で最高だった。男女別で見ると、男性(57.8%)が女性(49.0%)を上回った。
6割がオンライン交流に依存し過ぎて認知機能が低下
長期間オンライン交流に依存しているため、回答者の68.0%が「対人関係能力が低下した」と感じていた。
周さんは、「まず、長期間オンラインで文字だけで交流していると、言語能力が低下し、言葉での表現能力に影響が出る。次に、字が書けなくなる」と話す。
趙さんにとっては「インターネット上」が人付き合いの「コンフォートゾーン」で、そこでの交流にどんどん依存するようになっているという。しかし、その一方で、生活における対面交流が影響を受けているとも感じている。「長期間オンラインでチャットばかりしているので、対面で会話をする時、言葉が出てこなかったり、自信を持って話せないことが増えた。相手の表情や感情など、言葉以外の部分を観察する能力も低下した」と話す。
オンライン交流に過度に依存すると、どんな問題が生じるのだろうか?回答者の61.0%は、「記憶力が低下したり、反応が鈍くなったり、注意力が散漫になったりと、認知機能が低下する」、50.5%が「うわべだけの付き合いをするようになり、強い絆を築くことができない」、42.2%が「メンタルが不安定になり、孤独を感じる」と答えた。
オンライン交流に対する依存度を下げ、オンラインと対面のバランスをうまく取るためにはどうすればいいのだろうか?この質問に対しては、回答者の62.9%が「自分の気持ちを表現する能力を意識的に高め、対人能力を高める」、61.8%が「家族や友人とよく連絡を取り、対面での交流の機会を作る」、52.1%が「テクノロジーツールは諸刃の剣であることを直視し、自分自身のメディアリテラシーを高める」、33.1%が「趣味を増やすことにチャレンジし、友達の輪を広げる」と答えた。
華東師範大学の心理・認知科学学院の徐光興教授は、「オンライン交流に依存する傾向から抜け出す際、急いで結果を求めてはいけない。自分の性格に合わせて、オンラインと対面の交流に費やす時間を合理的に配分し、段階的に少しずつ取り組めばいい。対面交流に対して強い拒否反応を示す人については、専門の心理カウンセリング機関に助けを求めるべき」と呼びかけるほか、「対面交流にはオンライン交流にない役割があることを知ってもらう必要がある。これには、企業や学校、コミュニティが協力して宣伝・教育を行うことが必要だ」と強調する。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年11月18日