後発開発途上国へ吹き続ける中国貿易の「暖かい風」

2025-11-19 10:28:00

このほど閉幕した中国国際輸入博覧会(輸入博)では、後発開発途上国の特徴的な商品が広く注目を集めた。このような遠方からやってきた途上国の優れた製品は、輸入博のプラットフォームを利用して、中国の大市場をこじ開ける「カギ」を探り出すとともに、グローバル貿易に組み込まれるさらなる可能性もより多く見出した。中国新聞網が伝えた。

その背景には、中国の互恵・ウィンウィンの貿易の「暖かい風」が、世界の後発開発途上国へ吹き続けていることがある。

国連のデータによると、2024年末現在、後発開発途上国は人口で世界の総人口の約14%を占めるが、国内総生産(GDP)は世界の2%以下で、貿易額も世界のわずか1%に過ぎない。後発開発途上国が国際貿易によりよく溶け込み、グローバル化のボーナスをよりよく享受できるかどうかは、自国の発展の方向性に関わるだけでなく、世界経済のバランスと安定にも影響を及ぼす。

世界最大の発展途上国としての中国は、国際協力において共同発展の促進を常に重要な位置に据え、各国が発展のチャンスを共有できるよう力を尽くしてきた。24年12月1日からは、33のアフリカ諸国を含む後発開発途上国を対象に輸入品の関税ゼロ政策を実施している。

専門家によれば、この政策は後発開発途上国の製品が中国市場に進出する際のハードルを直接引き下げた。アフリカ産のコーヒーやナッツ類から南アジアの手工芸品まで、現地の人々の暮らしを反映した数々の製品が、巨大な規模の中国市場によりスムースに進出できるようになった。

中国は関税ゼロ政策のほか、貿易円滑化の促進や越境ECへの支援提供といった方法でこうした国の貿易水準を引き上げている。一方で、このような「ソフト環境」の改善はインフラの脆弱な後発開発途上国にとって非常に重要な意味を持つ。

輸入博をはじめとする開放的プラットフォームも重要な役割を果たしている。今回の輸入博では初めて後発開発途上国製品の専用エリアが設けられ、前年比23.5%増となる163の国の企業が出展した。同時に、アフリカ製品専用エリアの規模を拡大し、一部のブースを無料にしたり、展示品購入時の税制優遇措置を打ち出したりして、後発開発途上国の企業の出展に全面的な便宜を図った。

これまでには、ザンビア産のハチミツ、ナイジェリア産の落花生、タンザニア産のカシューナッツといった後発開発途上国の各種製品が、輸入博プラットフォームを通じ、遠く海を越えて中国の消費者の手元に届けられていた。8年間にわたる実践により、輸入博は後発開発途上国が中国市場に進出し、世界のバリューチェーンに組み込まれるための重要なプラットフォームにもなっている。

輸入博から中国―アフリカ経済貿易博覧会まで、中国は一連の開放的プラットフォームの力を借りて、後発開発途上国にハードルが低く、効率の高い展示と販売のチャンネルを持続的に提供し、後発開発途上国の供給と中国市場の需要を正確にマッチングさせ、貿易のアクセシビリティと成功率を向上させた。

より重要なことは、これにより後発開発途上国の内発的成長力が喚起されたことだ。安定した輸出収入により、これらの国々が教育、医療、インフラへの投資が可能となった。グローバル産業チェーンへの融合を通じて、技術や経営ノウハウを学び、次第に産業の高度化を達成した。中国市場の極めて大きなニーズは、後発開発途上国が単純な輸出から、特徴的な製造業の発展、製品の付加価値向上への転換を促している。

今回の輸入博で発表された「世界開放報告2025」によると、1990年から2024年までの30数年間に、中国の開放指数は0.5891から0.7634へと30%近く上昇し、成長率は世界トップクラスを維持している。世界全体の開放が縮小傾向にある現状において、中国の開放は流れに逆らい拡大を続けている。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年11月17日

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