【中国のこの10年】新しい暮らしを彩るデジタル化

2022-09-19 15:34:38

ナビゲーションソフトを開けば、ルートが一目瞭然になり、さらにソフトがリアルタイムで道路状況を分析して、所要時間も予想してくれる。ECプラットフォームで服を買う時、オンライン試着機能を使えば、コーディネートの善し悪しを直観的に確かめることができる。家でくつろいでいる時、外に出なくても博物館を「クラウド見学」すれば、貴重な文化財を鑑賞することができる……多くの中国人にとって、こうした場面は今やすっかり日常生活の一部になった。 

中国のデジタル経済の規模は2012年の11兆元(1元は約20.5円)から2021年の45兆5千億元に増加し、デジタル産業化の基礎がよりしっかりと踏み固められ、産業デジタル化の歩みが加速し続けている。

この10年に、デジタル化が暮らしをより便利にしている。12年から21年までの間に、中国のインターネット普及率は42.1%から73%に上昇し、すべての地級市(省と県の中間にある行政単位)が光ファイバー都市を全面的に建設し、行政村と貧困を脱却した村のブロードバンド開通率は100%に達した。今年7月末現在、中国の5G移動電話ユーザーは4億7500万人に達し、世界最大規模の5Gネットワークが建設された。デジタルインフラが整ったことで飛躍的発展が実現し、シェアリングエコノミー、ネット小売、モバイル決済などの新技術・新業態・新モデルが次々に登場し、デジタル中国建設の実り多い成果が社会や暮らしのあらゆる面をカバーしている。今や、都市のコミュニティでは、コード読み取りによる料理の注文や顔認証決済が市民に新しい体験をもたらし、スマート駐車場、顔認証による団地の出入り、ごみのスマート分別回収が日常生活に便利さをもたらしている。広大な農村では、ECのライブコマースを利用して、陕西省商洛市柞水県のキクラゲや山西省大同市の黄花菜などの農産物が外部へ販路を広げ、デジタル化技術を背景に、従来の農業がスマート農業への転換を加速させている。

この10年に、デジタルによる便利で、利益や恩恵をもたらすサービスの普及が加速した。デジタル技術を利用して、オンライン化と遠隔化をはじめとする新型サービスモデルが日増しに普及している。海南省では、市・県の病院18ヶ所、郷・鎮の衛生院340ヶ所、村の衛生室2700ヶ所が5G遠隔医療設備を配置し、患者の診察にかかる時間が平均3-5時間短縮され、診察の効率が30%上昇した。福建省福州市鼓嶺観光レジャーエリアでは、5Gネットワークがすべての景勝地をカバーし、5Gで可視化された総合管理プラットフォーム、民泊監督管理システムなど「5G+スマート観光」プロジェクトが応用され、観光レジャーエリアの観光客数が13%増加した。江西省撫州市では、1本のネットワークケーブルが都市と農村の教室をつなぎ、村の子どもたちも都市の優れた教育資源を享受できるようになっている。今日の中国には、世界最大規模のオンライン教育プラットフォームと全国統一の医療保険情報プラットフォームが構築され、遠隔医療は全国の県・区の90%以上をカバーしている。この10年に、デジタル技術が都市・農村間、地域間の優れた社会サービス資源の配置のアンバランスの問題を解決するための重要なサポートを提供している。

 

この10年、デジタル政府のガバナンスサービスの機能が大きく向上した。デジタル政府はデジタル中国の重要な構成要素だ。デジタル技術を政府の管理サービスに幅広く応用することは、ガバナンスシステムとガバナンス能力の近代化を推進するための有効な措置で、政務サービスに対する人々のますます高まる要求によりよく応えるための必然的な選択でもある。現在の状況を見ると、「掌の上で手続きできるサービス」、「指先で手続きできるサービス」が各地の政務サービスの標準装備となり、「1つのネットで一括手続き」、「エリアが変わっても手続き可能」が今や現実のものになり、省レベルの行政認可項目の90%近くはオンラインでの受理と「実際に窓口に行くのは最多で1回」が実現し、認可を受けるまでの期間が平均で半分以上短縮された。国際連合の電子政府に関する調査報告書によると、中国の電子政府のオンラインサービス指数は世界9位だという。

デジタル中国建設が踏み込んで推進されるのに伴って、デジタル技術が幅広く応用されるようになり、デジタルのボーナスを享受する人がますます増えている。

(編集KS)

「人民網日本語版」2022年9月19日

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