中国、この10年で「青空」が「ぜいたく品」から「日用品」へと変わる
中国の公衆環境研究センターが21日に発表した「青空への道:この10年の大きな変化及び2030年までの展望」報告は、データを分析した結果から、主な大気汚染物質の排出量が大幅に減少したことや、主な大気の質を示す指標が目に見えて改善したことが明らかにされている。大気の質を改善する中国の取り組みとその成果を、国際社会は高く評価している。
報告は、中国が世界において最も速いペースで大気の質を改善することに成功した取り組みを振り返っている。報告によると、中国はわずか3年で、全国の都市の大気モニタリングネットワークを構築し、微小粒子状物質(PM2.5)のモニタリングデータをリアルタイムで公表しているほか、予報・警報能力を継続的に強化し、「大気汚染防止行動計画(大気十条)」や「青空を守る戦い」を制定し、実施してきた。そして、環境をめぐる法律の執行やモニタリング情報の公開を強化することで、社会各界に働きかけ、石炭燃焼、工業、交通、 粉塵、低品位の石炭燃焼といった汚染源を未曽有の規模で削減してきた。それら取り組みは顕著な成果を挙げている。
公衆環境研究センターの馬軍主任は、「中国は世界において最も速いペースで大気の質を改善した国となった。中国の多くの都市や農村では次第に青空が『ぜいたく品』から『日用品』へと変わっている。一般の人々の獲得感や幸福感が大幅に向上している」との見方を示す。
この10年の中国の大気の質を改善する取り組みの成果について、中国環境科学研究院・大気所の高健副所長は、「技術の下支えが顕著な改善を促進しており、特に大気汚染防止・改善の重点地域では、難関攻略のための連合技術チームが技術の下支えを提供して、重要な役割を果たしている」との見方を示す。
そして、「今後、PM2.5が気象の影響の要素をほぼ受けないようにするほか、オゾン汚染の悪化を抑制しなければならず、非常に難しい舵取りが求められる。その難しさの源となるのは、まず1つ目に、主な大気汚染物質の排出は依然として1千万トンレベルで、排出削減の難度は高まるばかりである点が挙げられる。また、気候の影響が不確定要素を増やしているほか、技術の下支えという面でも、さらに高い精度が求められる。例えば、北京、上海、広州、深センといった超特大都市は、すでにある成果をベースに、さらなる削減が求められている。また、工業が集まる都市については、さらに細分化された管理が必要となる。そのため、今後の大気汚染の改善のためには、過去10年の経験をベースに、さらなるブレイクスルー、発展が必要で、最も重要となるのは理にかなった削減の取り組みで、PM2.5が今後も減少の一途をたどり、オゾン汚染が安定して下降の流れへと向かうようにしなければならない」と指摘する。
今後の展望について、報告は、「二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウト、カーボンニュートラル、『1+N』政策体系が段階的に確立されるにつれて、第14次五カ年計画(2021‐25年)期間中、中国の生態環境保全事業は、CO2排出量削減をメインにして、大気汚染改善と調和よく効果を増していく新たな時期へと突入している。CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの目標達成を目指す取り組みが実施されれば、大気の質がさらに大幅に改善する可能性がある」としている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年9月26日