明るい見通しを持つ中日食品貿易
新型コロナウイルス感染症が発生してから、日本の外食産業は非常に大きな打撃を受けた。日本経済新聞の中国語版と日本電信電話株式会社(NTT)が共同で行なった調査によれば、2021年8月現在、日本の飲食店4万5千店が閉店に追い込まれており、これは日本の飲食店全体の約10%を占める数字だという。
日本の経済産業省が発表したデータでは、21年の日本の外食産業の売上高は前年比39%減少し、過去最大の減少幅になった。
豊禾国際株式会社の田少強会長は、「一方で、日本では感染症が広がったため、企業の従業員が在宅勤務を迫られ、政府も外食産業を制限する政策を打ち出した。このため企業や学校の食堂・給食、また弁当のニーズが減少し、それにともなって飲食店の輸入原材料ニーズもそれに応じて減少した。もう一方で、感染症のため国際海上輸送運賃が大幅に値上がりし、輸送コストが増大した」と説明し、中日食品貿易への懸念を示した。
日本の感染症対策措置が経済に与えたマイナス影響は今なお続いている。外食産業の不況を目の当たりにして、日本政府は3月22日、東京、愛知、大阪など18都道府県に適用されていたまん延防止等重点措置を解除したが、外食産業の回復にはしばらく時間がかかるとみられる。
速やかにモデル転換して チャンスをつかむ
日本の外食産業の消費が低迷する状況の中、中日食品貿易を手がける華僑・華人は業務のモデル転換を積極的に進め、防疫政策に全面的に協力し、危機の中でビジネスチャンスを見いだそうとしている。
前出の田氏は、「中国国内の消費市場が拡大を続けるのにともなって、私たちはカウンタートレードということを考えるようになり、水産物やパック米、チョコレートなど日本の特色ある食品を中国に輸出することを考えるようになった。また日本のメーカーは製品の機能性や独自性を追求するが、そのために高いコストが生じてコモディティの輸出を制約してもいる。そこで、日本企業の経営モデルを中国に『移植』し、中国で『地産地消』すれば、互恵ウィンウィンの理想的なビジネスモデルになる。これから私たちはこの2つの面をさらに深く開拓していく」と述べた。
感染症がグローバル経済に与えるマイナス影響は現在もまだ続いているが、中日の国境を越えた貿易は引き続き非常に大きな発展のポテンシャルを秘めている。ますます多くの華僑・華人が卓越した先見性と強い意志によって、チャンスをつかまえ、モデル転換の実現に成功している。
再び好材料を迎える中日貿易
2022年は中日国交正常化50周年にあたる。この50年間に、両国の経済貿易協力は大きな発展を遂げた。両国の間では今や、物品・サービス貿易、双方向投資、技術交流、人材交流を網羅する全方位的な深いレベルの協力関係が構築されている。
中国は日本にとって最大の貿易パートナーであり、ポストコロナ時代の国際経済貿易環境が悪化する状況の中にあっても、日本の対中貿易は高い強靱性を示している。
日本貿易振興機構(ジェトロ)が日本の財務省と中国の税関の統計に基づいて明らかにしたところでは、20年に日本の輸出貿易額は前年比10%減少したが、中日間の貿易額は0.2%の減少にとどまった。ここには中日両国の経済協力の重要性がはっきりと示されている。
地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が今年1月に発効した。物品貿易、サービス貿易、投資など多方面の市場開放ルールを定めたもので、中日双方がそれぞれの優位性を発揮する上でプラスになるだけでなく、地域のバリューチェーン構築を促進することも期待される。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年4月26日