【上海在住日本人のコロナ日記】ボランティア活動に励む佐藤敦さん、みんなの「ありがとう」で疲れも感じず
佐藤敦さんは1年前に上海市にやって来て、市内の浦東新区で暮らし、ある調味料企業に勤めている日本人だ。佐藤さんが住むコミュニティでは、3月21日にPCR検査で陽性者が出たため、封鎖管理が行われている。佐藤さんは毎日テレワークで仕事をしているほか、コミュニティのボランティアチームに加わり、時には白い防護服に身を包んで、PCR検査の手伝いなどのボランティアをしている。
佐藤さんは封鎖管理が始まった当初を振り返り、「当時は困惑したし、不安だった」と語る。しかし、コミュニティの日本語が話せるボランティアが家まで来て佐藤さんの質問に答えてくれたり、食料の配給をしてくれるなどして、最初の困難な時期を乗り越えるのを助けてくれた。そうしたことから佐藤さんにもボランティアチームに加わろうという気持ちが芽生え、「自分の実際の行動で恩返しをしよう」と思ったのだという。
佐藤さんが住んでいる濰坊新村街道(エリア)は外国人の住民が比較的多い。コミュニティの責任者である陸俊春さんによると、このエリアには世界50ヶ国・地域から来た外国人1万人近くが住んでおり、コミュニティ内には外国人向けのサービスステーションも設置されている。新型コロナウイルス感染拡大が深刻化したことをうけ、コミュニティでは50人からなる外国人ボランティアチームを立ち上げ、うち日本人が約15%を占めるという。
佐藤さんは中国語が堪能で、英語も少し話せるため、ボランティアの仕事でとても頼りにされている。配給食料の運搬のほか、佐藤さんは防疫政策の連絡やPCR検査の際の秩序維持、個人データの読み込みといった仕事を受け持っている。住民と直接接触する作業をする場合は、ボランティアも防護服を身に着け、手袋をつけ、防護用ゴーグルをかけるなどして「完全武装」する必要がある。佐藤さんは、「体力的には疲れているが、みなさんの『ありがとう』をもらうことで、精神的には疲れない。人助けをすることができて、自分もとてもうれしい」と語る。
20年前、佐藤さんは中国で2年間働いたことがあり、その縁は20年後の今も続いている。この特殊な時期に、佐藤さんは自分のやり方で上海を応援している。(編集AK)
「人民網日本語版」2022年5月1日