「初心を顧み、未来に向かう」中日国交正常化50周年記念国際学術シンポジウムが開催
8月27日、中国社会科学院が主催し、中国社会科学院日本研究所と中華日本学会が運営する「初心を顧み、未来に向かう」――中日国交正常化50周年記念国際学術シンポジウムが北京で盛大に開かれた。オンライン・オフラインでシンポジウムに参加した両国の政治家と専門家・学者は中日関係の50年の歩みと経験を振り返り、新時代の中日関係を考え、展望した。
50年の成果は国際社会全体に恩恵をもたらす
出席した政治家と専門家・学者は歴史的・対照的な視点から、中日国交正常化は両国間の半世紀にわたる平和をつくり出し、両国と両国民に巨大な福祉をもたらしたとの考えを示した。また、中日の平和的交流と互恵協力は「アジア台頭」の重要な推進力を形成し、地域と世界に大きく貢献したと示した。
開幕式で挨拶する中国国務院元副総理・国際儒学聯合会会長の劉延東氏
中国国務院元副総理・国際儒学聯合会会長の劉延東氏は開幕式で以下のように挨拶した。50年間、中日両国は互いに頼り、積極的に交流し、深く交わり、緊密で切り離すことのできない運命共同体を結成し、国交正常化の成果は両国民だけでなく、周辺諸国、さらには国際社会全体に恩恵をもたらした。
中国社会科学院の石泰峰院長は、「50年間、中日両国は政治、経済、人文などの分野での交流と協力で巨大な成果を上げた。中日国交正常化で善隣友好関係が発展したことは、両国と両国民の利益と合致し、アジアひいては世界の平和、安定、繁栄に大きく貢献した」と述べた。
開幕式で挨拶する中国の孔鉉佑駐日大使
中国の孔鉉佑駐日大使は挨拶の中で、中日国交正常化は3つの貴重な財産をもたらしたと強調した。1つ目は、中日間の50年の平和を切り拓き、友好と協力は双方がしっかりと把握する正確な方向であったこと。2つ目は、協力・ウィンウィンの手本を確立し、二国間貿易額は10億ドルから3700億ドル以上に激増し、両国各自の発展を強力に支えたこと。3つ目は、中日間の4つの政治文書と一連の重要な共通認識を達成し、双方の矛盾と不一致を処理するために守るべき原則を確立し、中日関係の長期的発展を維持する根本的保障となったこと。
新時代の中日関係の新しい未来図の構築に努力
しかし、中日関係の発展は順風満帆ではなく、再び岐路に立っている。新時代に合った中日関係をどのように構築すべきかについて、専門家らは自身の考えを述べた。
孔鉉佑氏は、双方は強い責任感と使命感を持ち、両国関係に存在する問題を正視し解決し、以下の5点から着手し、新時代の中日関係の新しい未来図の構築に共同で努力する必要があると示した。1つ目は位置づけ認知問題の解決、2つ目は中日協力の原動力の強化、3つ目は民間友好エネルギーの活性化、4つ目はリスク管理の更なる重視、5つ目は国際地域事務における役割強化。
中国社会科学院日本研究所の楊伯江所長は、両国は健全で安定し、強靭な中日関係の新時代を切り開く努力をすべきだと呼びかけた。1つ目は、貴重な発展の成果を大切にし、平和協力の最低ラインを守ること。2つ目は、現実利益の結びつきを強め、貿易、投資、産業、科学技術などを含む経済分野の各面の協力を促進すること。3つ目は、戦略対話を始動し、相互認識を深め、戦略的相互信頼を構築すること。
日本の宮本雄二元駐中国大使は以下のように示した。双方は対話メカニズムを拡大・深化させ、信頼関係を強め、平和と友好関係を歩む決心をする必要がある。中日は競争と共存、競争と協力の関係であり、競争を分裂と対立にしてはならず、協力を強化し、競争を緩和し、共存の道を探るべきである。
日本の国際交流基金元理事長の小倉和夫氏は以下のように話した。国の交わりは人民の仲の良さにあり、日本人の中国に対する見方や考え方に誤った認識があれば、日本政府と日本人は深く反省すべきである。中国からの脅威を誇張し国内政治を統制しようとする日本のやり方は望ましくない。人民の仲がよいことこそが日本の安全保障を実現する最善の方法である。
京都大学法学部の中西寛教授は、「中日間は交流の数を増やすだけでなく、交流の質も高める必要がある。最近の情勢下で、両国の協力は必須の選択となっている。多くの世界的問題は、各国が協力してこそ解決できるためである」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年8月28日