杭州アジア大会開会式終了後の観客退場は1秒に30人が退場する圧巻のスピード
第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)の開会式が23日夜、杭州オリンピックスポーツセンタースタジアム(通称「ビッグロータス」)で盛大に開催された。さらに、開会式終了後には観客7万1000人がわずか40分で退場を完了するという驚きのシーンも見られた。これは1秒当たり30人が、安全に会場を退場した計算になる。新華社が報じた。
アジアオリンピック評議会(OCA)の魏紀中終身名誉副会長は、「アジア競技大会にはこれまで11回参加したことがあるが、これほどスムーズに観客が退場したのは今回が初めて」と絶賛した。
観客の入退場を最大限効率よく進めるべく、杭州アジア大会では、「一長三員」という保障メカニズムが採用された。「一長」は、開会式のリモートエンド集結ポイントに配置された「ポイント長」を指し、そのポイント全ての業務のまとめ役となっっている。また、観客25人につき1人の「網格員」と呼ばれるスタッフが配置され、入場から退場までの全過程の誘導を行った。さらに全ての車両に、「随車連絡員」と「安全員」と呼ばれるスタッフが配置され、移動の途中でサービスを提供したり、突発的な事案が発生した場合の緊急連絡サポートを行った。
安全かつスケジュール通りに、秩序よく入退場を実現させるためには、このほかにも頭をフル回転させて、知恵を絞らなければならない。例えば、入場する際、各座席には小さなライトが設置されていた。それほど目立たないライトであるものの、開会式中は「ペンライト」の、退場時には「信号灯」のような役割を果たした。開会式が終わり、そのライトの色が「緑」に変わると、立ち上がって退場してもOKの合図となる。
さらに、杭州は開会式に合わせて、無料の特別地下鉄車両を2本を配備して、特別に運行させた。杭州オリンピックスポーツセンター周辺のポイントとなる地下鉄の各出入口にもスタッフが配置され、秩序よく観客が駅に移動するよう誘導していた。また、改札機は事前に専用ゲートとして開けっ放しにしておき、観客が速やかに駅構内を移動できるように運転間隔が短縮された。
ハイスピードでスムーズな退場は、「ホスト」となった杭州の組織と運営が合理的で、効率的であることの証明となった。「信号灯」がうまく役割を果たすためには、観客の協力も必要だが、開会式終了後、全ての観客が、ライトが「緑」に変わるまで、辛抱強く待っていた。席の信号灯は10分ほど待つと、緑に変わった。すると、周りの観客は立ち上がり、周りのゴミを拾って、順番に会場を後にしていた。
当日夜10時40分、観客たちは全て退場したものの、銭塘江の畔では、「ビッグロータス」が依然として美しく光り輝いていた。また、まだ灯りに照らされた会場内を見渡すと、ゴミ一つない観客席が整然と広がっていた。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年9月27日