「新中国式服飾品」が国風消費を牽引 ブランド続々参入、ECでの販売が激増
春節(旧正月、今年は2月10日)連休は終わったが、新中国式服飾品は引き続き好調だ。中国の伝統文化を取り入れた「国風」に夢中な消費者、服飾ブランド、ECプラットフォームが一緒に火を付けた新中国式服飾品の消費ブームが、今、中国全土を席巻しつつある。中国新聞網が伝えた。
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新中国式は2024年に最初に「大バズり」した服装のコーディネートだ。伝統衣装のロングスカート「馬面裙」は、春節前にファッショナブルな女性の「マストアイテム」になり、絹織物「宋錦」の短い上着、広東省特産の絹織物「香雲紗」のシャツ、さらには漢服やチャイナドレスなども次々に人気が沸騰し、「1人1着の新中国式の服で春節を迎える」のが、国風好きな女性たちの春節の過ごし方になった。
複数のECプラットフォームで、新中国式服飾品が新年に販売成長率の最も高い品目の一つになっている。特売品ECサイトの唯品会がまとめたデータによると、春節前後の1ヶ月間には、レディースとキッズの新中国式服飾品が真っ先に爆発的な売れ行きを示し、新中国式モチーフの服飾品の販売量は23年1月の2倍になり、そのうちレディースの販売量は3倍近くになった。
服飾業界の関係者は、「新中国式服飾品が春節前後に爆発的に売れたのは、『天の時、地の利、人の和』を得たからだ。辰年の春節の訪れによって、国風や国潮(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)が再び若い消費者の関心の的になった。新中国式服飾品でコーディネートして『キメる』のに最もふさわしいのは伝統的な祝祭日だ。また、服飾品ブランドが新中国式服飾品のデザインと開発にも重点的な投資を行っている」との見方を示した。
このほか、ECプラットフォームも新中国式服飾品の急速な伸びを後押しする役割を果たした。春節に先立ち、馬面裙がいち早くECで大きな話題を集めた。中央テレビ網の報道によれば、複数のECプラットフォームのビッグデータから、今年1月以降、漢服の検索件数が急増し、そのうち馬面裙が漢服関連商品で検索件数が常にトップのアイテムになり、売上高が100万元(1元は約20.9円)を超える人気商品も少なくないことがわかるという。
「2024年唯品会服飾業界春夏トレンド白書」によると、新中国式のコーディネートが今年の春夏シーズンで最も重要なトレンドの一つになり、刺繍、チャイナボタン(盤扣)、墨痕の墨染め(水墨暈染)などの伝統的中国要素と現代のファッションデザインが結びついて、国潮を愛する独自の審美眼を備えた若い世代を強く引きつけることになる。チャイナボタンのついた上着、馬面裙、刺繍の入ったシャツ、国風のセットアップなどは、今年の春夏に爆発的な売れ行きが予想されるという。
実際、新中国式服飾品は若者だけの人気にとどまらず、ハイブランドのデザイナーでこの分野を徐々に深く開拓する人もますます増えている。この動きが新中国式の人気をさらに押し上げることは確実で、ファッションブランド「ZHUCHONGYUN」がデザインした新中国式服飾品は平均価格がいずれも2000元以上するが、その特売品ECプラットフォームでの売り上げは前年同期の数倍に達している。
前出の関係者は、「例年と異なるのは、新中国式服飾品がますます生活になじんでいることだ。これまでは伝統的祝祭日と国風の写真撮影で新中国式服飾品が選ばれることが多かったが、今では女性が仕事や日常生活でのコーディネートとして着用することの方が多い。着用シーンの広がりにともなって、新中国式服飾品は2024年も急速に成長するだろう」と予想した。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年2月20日