アーデル(エジプト)=文
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中国の自動車製造工場を見学するアーデル氏
アーデル・サブリ(Adel Sabry)
エジプトの「アルーワフド(Al-Wafd)」紙の副編集長を務める。 | 中国に来る前、私は、中国を保守的な国だと思っていた。しかし、しばらく中国で暮らし、働いてみると、ここでは政治腐敗問題を論じることがタブーではないということを、驚きをもって発見した。政府の官僚もニュース・メディアも、政治腐敗問題に関する意見を公にして、腐敗事件の真相と性質を発表する。こうした開放的な態度は、中国と中国共産党を新しい目で見直させることになった。
昨年7月、中国共産党中央委員会の胡錦濤総書記は、「党全体が緊迫感と責任感を強めなければなりません。党の党に対する管理を堅持し、厳しく党を治め、党の思想構築、組織の構築、気風の構築、反腐敗・廉潔の提唱、制度の構築を全面的に強化しなければならず、党は終始中国の特色ある社会主義の強固な指導の核心でなければなりません」と、再び強調した。
2007年、中国は汚職や腐敗などの問題を専門的に処理する国家腐敗予防局を設立した。長い間、メディアは腐敗問題に対して、強い関心を持ち続けている。中国の各大手メディアは大型腐敗事件の報道や論議に熱心で、汚職官僚の犯罪行為を明るみに出そうとしている。国家腐敗予防局の崔海容副局長によると、2003~2011年まで、汚職・腐敗で司法機関に検挙された人は4万2000人に達し、その中には、元中国共産党中央政治局の陳良宇委員などの高級官僚も含まれるという。
2002~2012年まで、公費による海外観光、建設プロジェクトによる汚職、「裏金」作り、祝典・セミナー・フォーラムの過多、多すぎる公用車など、人々が関心を寄せる問題について、党と政府は集中的に調査を行った。2011年末までに、建設プロジェクト42万5000件を逐一調査し、規律・法律違反201万件を調査・処分した。さらに、「裏金」6万件余りを発見・確定し、関連責任者1万人以上を調査・処分した。2006年以降、中国は「アンチ・マネーロダリング法」など各種の腐敗問題に対する一連の法律・法規を相次いで発表した。「腐敗と反腐敗闘争は長期的・持久的なものです。しかし、終始一貫して腐敗を取り締まり、廉潔な政治をつくり上げ、中国の特色ある反腐敗・廉潔提唱の道に沿って前進し続ければ、未来は必ず明るいものになると信じています」と、中国共産党中央規律検査委員会研究室の李雪勤主任は語る。
それと同時に、中国は国際社会とともに、腐敗対策に関する国際交流と協力をさらに強化し、国際的な腐敗犯罪を処罰し、共同で反腐敗事業の健全な発展を推し進めることを望んでいる。現時点で、中国はすでに世界の80余国・地域と腐敗対策に関する協定を締結している。
人民中国インターネット版 2012年11月
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