アナトーリ・トジク(ベラルーシ)=文
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ベラルーシ出身のアナトーリ・トジク氏
アナトーリ・トジク(Anatoly Tozik)
ルーシ共和国の駐中国特命全権大使を務め、2011年からベラルーシの副総理に就任し現在に至る。 | 周知のように、中国には天地を覆すような大きな変化が起きた。現在、中国は世界第2位の経済大国となっている。改革開放以後の30年間、国内総生産(GDP)は年平均で9.8%増加した。2011年、中国の一人当たりのGDPは5400米ドルに達し、外貨準備高は3兆米ドルを超過し、食糧の安全供給問題も解決された。最も重要なのは、工業、科学、技術などの分野において中国はすでに世界のトップクラスにいるということだ。
中国経済の発展の成功にはいかなる秘訣があったのだろうか。中国で長い間働いた経験から、私は次のような五点にそれを総括する。
一、労働集団、専門家、指導者および地方政府の創造性に依拠したこと。中央政府は一連の必須条件を創り出し、人々の積極性と創造性を発揮させた。中央政府はすべての計画と提案を全面的に分析し、国家利益に最も合致するものを精選し、まず一部の省で試行して、その後に全国の発展に有効な提案を積極的に推進した。
二、国有企業の指導部に最大の自主権を与えたこと。国有企業の指導者は自主的にすべての決定を下すことができ、年末にその業務実績は評価される。それと同時に、指導部・専門家らの実績と密接に連動した奨励メカニズムを広く普及させた。
三、外国の投資と先進的な技術の導入に最大限の優遇政策を提供したこと。外国へ多くの若者を派遣し、大学で勉強、あるいは世界的に有名な企業で研修させた。また、経験のある外国人マネージャーを高給で招聘し、中国の会社で働いてもらった。
四、会社とりわけ個人経営企業の生産・経営活動に対する規制を最大限に緩和したこと。法執行・管理機構は、会社の正常な財務と経営活動に干渉する権利はないとしたこと。
五、科学を大いに発展させ、イノベーションを促進したこと。国家は多くの資源を提供して科学研究センターを建設して、すべての必須条件を創り出し、さらに企業内部の科学研究・設計機構の設立を助けた。
当然、中国は大きな成果をあげたと同時に、未解決の問題も多く抱えている。農村部の住民の生活レベルは都市部の住民に比べ大幅に遅れている。中西部地区の発展レベルは東部にはるかに及ばない。衛生、教育、住宅などの面において、多くの問題を解決しなければならない。これが中国がいまだ途上国を自称している理由だろう。
だが中国政府は、毎年より多くの関心と資源を、これらの問題の解決に注いでいることを、われわれは目撃している。これらの問題も結局は解決されるのは間違いないだろう。
人民中国インターネット版 2012年11月
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