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2014年秋、APEC(アジア太平洋経済協力会議)が北京市懐柔区雁栖湖で開かれる。2001年のAPEC上海サミットに続く中国で開かれる二番目の、北京で初めて開かれるAPEC会議である。これまでに北京は、アジアオリンピック、オリンピック、上海と協力して行った北京サミットなどの一連の大型国際会議・イベントを挙行し、その組織経験と能力は疑う余地がない。唯一心配なのは、近年の北京では大気汚染がひどく、北京の美しい都市イメージに影を落とす可能性があることだ。
そういった背景のもとで、北京市は2014年のAPECの会場を北京市近郊の自然が美しく、環境保護の成果が著しい懐柔区に選んだ。これはこの機会を借りて、外部に環境管理と生態環境改善の決心と行動力を示そうとしたものであることは容易に理解できる。以下に本誌記者が自らの目で見た懐柔区エコロジー整備の現状をリポートする。  
                                                                     高原=文  馮進=写真

   
 
 
河川の自然ろ過力を生かす
   懐柔区は北京市北部にあり、山河に恵まれ、北京の重要な水源地となっている。そのためにここの河川整備は重要性を帯びている。懐柔区で行われる工業活動は比較的少なく、現地の河川汚染は主に居住民の生活ゴミ廃棄や河川の砂利の無許可採掘によるもので、河川の流れが遮られたり、土砂が流失したりすることによって起きる。→
 
汚染排出ゼロの村
 北宅小流域整備過程において、河川の整備はやはり重要であるが、その汚染源である生活ゴミ汚染や河川の砂利の無許可採掘を減らすことも欠かせない。このために、懐柔区では逐次、村の汚染ゼロ排出を推し進めている。→
 
自然を満喫できる青石嶺
 同じく小流域整備が行われた青石嶺の状況は、北宅と異なる。ほとんどが平地に位置する北宅に対し、青石嶺小流域は山地にあるため、整備方法にも、整備後の様子にも大きな差がある。→
 
 
 
エコ施設「国際会都」
 2014年に開催が予定されているAPECは、北京市懐柔区雁栖湖の「国際会都」が会場となる。このエリアは懐柔区北部の燕山のふもとにあり、北に万里の長城、西に紅螺寺があって、計画総面積は31平方㌔に及び、「国際会都」と国際雁栖小鎮という2つのブロックからなる。→
 
植林で農民も豊かに
 懐柔区橋梓鎮新王峪から平義分村一帯にかけて、標高600㍍前後の山並みがずっと続いており、京承高速道路から眺めると、かつては岩肌が露出していた山は、今では緑に包まれている。2006年から懐柔区はこの一帯を京津砂嵐源工事重点実施区域とし、植林を実施した。平義分村の王志明・党支部書記は、「この一帯は昔から水不足に悩まされ、雨が少ない地域でした。山の上にはイバラ、サネブトナツメなどが少し生えているだけで、典型的なはげ山でした。今ではずいぶん改善され、植物も生えてきたので、今後は村の観光業も発展することでしょう」と語る。→
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懐柔区のエコ観光名所
青い山、緑の水、古い長城が一体となった自然風景区で、雄大なダムの堤防が2つの部分に分けている。南部は高峡平湖で、堤防の向こうには静かに川が流れ、7、8月の雨量が十分な時には50㍍の滝が出現し、とても見ごたえがある。
所在地 懐柔区懐北鎮
開放時間 7時~17時
連絡電話番号 010-69661938
入場料 54元
中国北方最大の仏教庭園で、378年に建設が始められ、「京北一の古刹」と呼ばれる。紅螺寺は南向きで、山を背に建てられ、配置に無駄がなく、雄大である。敷地には各種の樹木が100万株余りあり、寺の東にある松林浴園には1000ムーを超える古松林が広がっており、北京市でも重要な古樹群の1つである。
所在地 懐柔区雁栖湖鎮紅螺山下
開放時間 夏 8時~18時  冬 8時~17時
連絡電話番号 010-60681967
入場券 54元
南北朝時代の北斉代(550~577年)に、慕田峪に長城が築かれ、明代初期に再建された。2013年の時点で、慕田峪の再建されて今に残る長城は、全国の明代の長城の中でも最も保存状態のよい長城となっている。
所在地 懐柔区慕田峪村
開放時間 7時半~17時半
連絡電話番号 010-61626022
入場料 45元
北京懐柔区市街から8キロの燕山のふもとにあり、北側には雄大な万里の長城が望め、南は華北平原を一望できる、美しい風景をもつ水上の楽園である。北京市民がレジャー・観光に訪れるに最適な場所である。2000年に国家観光局によって国家4Aクラスの景観地に指定された。
所在地 懐柔区懐北鎮
入場時間 8時~18時半
連絡電話番号 010-69663595
入場料 34元
 
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