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蘇州で触れた環境意識の高まり

2025-07-28 16:40:00 【关闭】 【打印】

中日は長年にわたって多方面で協力を進めてきたが、環境は特に実績が多く、成果が上がっている分野だ。とりわけ近年、中国がエコに注力する中、環境技術に強みを持つ日本企業が現地企業と連携し、各地の環境改善に寄与するケースが増えている。 

住友電工もまた、そのような企業の一つ。電力ケーブルの製造から事業をスタートさせ、社会の変化に伴って事業の多角化を進めてきた同社は、かねてより環境事業に力を入れてきた。そして今日、同社の技術は中国をはじめとして世界中に環境ソリューションをもたらしている。 

住友電工貿易((しん)(せん))有限公司は電力ケーブルや光ケーブル、情報通信、半導体など多くの分野の中国事業を担うとともに、住友電工が独自開発した水処理膜モジュールによる汚水処理事業を展開し、中国の環境改善に貢献している。今回、筆者は同社で董事総経理を務める武尾敬三氏に、環境をキーワードにお話を伺った。 

武尾氏と中国との縁は、1992年にまでさかのぼる。大学時代、両国の文化交流プログラムの一環で内蒙古自治区を訪れ、住友電工に入社後の95年には会社から中国に派遣され、現地で1年間にわたって中国語を学んだという。 

では、武尾氏が中国と仕事で関わるようになったのは、いつからだったのだろうか。また、当時の中国について、特に環境面でどのような印象を持っていたのか。 

「初めて仕事として中国を訪れたのは、2001年の上海駐在のときです。最初の駐在では01年から04年まで、上海に3年いました。それから時間が空いて、今回20年ぶりに中国駐在となったのですが、よく覚えているのは、当時私が通勤していたところに川があり、かつてはそこがものすごく汚染されていて、臭いが激しかったんですね。ところが、20年後にかつての上海の通勤路を通ってみると、見違えるほどきれいになっていて大変驚きました」 

もう一つ、20年の間に大きく変わったと感じたのは、中国の人々の意識の変化だ。 

「空港にしても駅にしても、またデパートなどにしても非常にきれいで、びっくりするくらいごみ一つ落ちていない様子を見ると、本当に20年前とは全く違うと感じます。政府の方針だけでなく、人々の環境に対する意識は高いと思います。例えば、高速鉄道などに乗っていると、しょっちゅうごみを回収に来ますよね。そうやって一生懸命、きれいな町や社会をつくろうとする高い意識をみんなが持つようになっていると強く感じます」 

このたびの取材は蘇州市でインタビューを行ったのだが、この地に関しても思い出深いエピソードがあると武尾氏は語る。 

20年前に上海に駐在していた頃、ちょうど中国で外国企業を積極的に誘致して、新しい技術や産業を発展させようという動きが盛んにあり、私の当時の一番の仕事は誘致のお手伝いをすることでした。そのときに協力していただいた政府のある若い方が、ご自身の夢を語ってくれたんです。当時、蘇州はまだ何もない場所だったのですが、いつかたくさん工場を誘致し、雇用を増やして、新しい学校や病院、交通機関などを作り、この町を発展させることが私の夢ですと言われまして、20年後にこうして蘇州を訪れると、その方がかつて言った夢が、まさに現実になっているんですね」 

今日の蘇州市は中国でも屈指の産業エリアであると同時に、風光明媚(めいび)な水の都としても知られ、中国が提唱する環境とバランスの取れた発展を象徴する地となっている。 

環境保護はグローバルな流れ 

環境と調和した発展モデルは、今や時代の主流を成している。一方、世界には温暖化対策に懐疑的な人々や、環境よりも発展を優先すべきと主張する人々が一部で存在するのも事実。この点について、住友電工の環境に対するスタンスは明確だ。 

「世界にはグローバルな流れというものがあり、それは環境保護の路線で間違いないと思いますので、私たちはグローバルに展開している企業として、それに追随していくことが社会的責任だと考えています」 

その上で武尾氏は、中国市場は日本企業が環境事業を進めるに際し、今後も十分な可能性を秘めていると指摘する。 

「中国は市場として大きく、人口も多い上、強いリーダーシップの下で実行力のある政府が積極的に環境保護に取り組んでいます。また、中国の場合、沿岸地域は産業面でも環境対策面でも進んでいる一方、内陸などではこれからの地域もあり、そういう意味で、今後もまだまだポテンシャルがあると思います」 

最後に武尾氏は、自らの夢を次のように語った。 

「私たちは住友グループの企業として、萬事入精(ばんじにっせい) 信用確実、不趨浮利(ふすうふり)という事業精神を掲げています。これは事業を行う上での哲学でして、これが日本だけでなく、さまざまな形で世界に広がっていけば、それが社会への貢献につながると考えています。この事業精神を中国でもより広め、この国に貢献していくのが私の夢です」 

これはすなわち、環境事業だけでなくあらゆるビジネスに通じる商業道徳だ。何事に対しても誠心誠意を尽くし、常に顧客や取引先、さらには広く社会からの信頼に応え、目先の利益や安易な利益を追って軽率、粗略に行動することを強く戒める――このような理念の下、中日の環境協力がいっそう深化し、両国の人々がより美しい自然、より素晴らしい日々を享受できるようになることを願ってやまない。 

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