デパ地下(百货地下)

2017-11-22 17:33:44

文=福井ゆり子

 

 

私が中国で生活していたとき、日本の何が恋しいって、デパ地下ほど恋しいものはなかった。すなわち、「デパートの地下売り場」のことだ。ああ、中国にデパ地下があれば、と幾度思ったことだろう。

如果说我在中国生活期间最想念日本什么,那一定是百货地下。也就是“百货公司的地下卖场”。我曾多次感慨,要是中国也有这样的地下卖场该多好啊!

 

日本人がかくも懐かしむデパートの地下売り場では何が売られているかというと、お惣菜(調理済みの食べ物)とかお菓子とかの食品全般で、まさに食のパラダイス。そこをさまようと、おいしそうな食べ物が次から次へと目に入り、散財したくなければ、お腹がすいた時には決して行ってはいけないところだ。(たまに試食販売をしていることもあるので、お腹がすいた時に行くという手もあるかもしれない)。

那么,让日本人心心念念的百货公司的地下卖场都卖些什么呢?可以说包括副食(已经加工好的食品)和糕点在内的所有食品都有售,简直可以称得上是美食乐园。散步其中,美味的食物应接不暇。如果不想破财,可千万不要饿着肚子去。(不过,偶尔也会有食品试吃,所以,肚子饿的时候去逛一逛也是个不错的选择)。

 

 あなたも、もし日本人が何を食べているか知りたければ、まず日本のデパ地下に行くといい。洋食、和食、中華、はたまたエスニック料理まで、あらゆる種類の料理が並んでいる。また、いろんなお弁当や世界各地日本全国の食材を売る店もある。そしてことのほか大きな面積を占めるのが、お菓子売り場だ。日本人のお菓子へのこだわりも、ここから知ることができるだろう。

  如果您想了解日本人平时吃什么,去日本的百货地下逛一逛就一目了然了。从西餐、日料到中餐,或是世界各地不同种族的饮食,应有尽有。还有专门出售各种便当和世界各地及日本全国各地食材的专卖店。而占地面积最大的卖场当属糕点卖场。日本人对糕点的偏爱,由此可见一斑。

 

 なぜこれが地下にあるかというと、日本のデパートの地下階の入り口はたいてい地下鉄の駅に直結しているので、仕事帰りの人が電車に乗る前にちょっと夕ご飯のおかずを買ったりするのにとても便利だからだ。これは中国のショッピングセンターの地下にスーパーが多いのと同じような事情だろう。

  为什么这样的食品卖场要设在地下呢?因为日本百货公司的地下入口大多直接通往地铁站,人们下班乘电车前可以顺路购买晚餐配菜,非常方便。这和中国购物中心的地下有很多超市是一个道理。

 

 デパ地下文化がこのように発展したのも、日本料理には冷めてもおいしいものが多く、さらには「お弁当文化」が発達していることが関係していると思う。一方、中華は冷たいものはみんな食べないし、温め直しても、出来てから時間のたったものはおいしくない。なぜ中国にデパ地下がないのかと悲しんだ私だが、やはりこれは両国の食文化の差異とも言えるのかもしれない。

  日本百货公司的地下文化如此繁荣,和日本料理大多凉吃也很美味,以及“便当文化”很发达有关。与之相对,中餐基本不适合凉吃,重新加热也会因为不是新鲜出炉而影响口感。所以,尽管我很遗憾中国没有百货地下,但或许这就是两国饮食文化的差异所在。(翻訳銭海澎)

 

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