けじめ(界限、分寸)

2018-02-27 15:02:21

=福井ゆり子 翻訳/編集=銭海澎

 

中国で日本人が驚くことの一つに、「クリスマスツリーやサンタクロースが春節の頃まで飾られている」ということがある。日本では、クリスマスが過ぎるとすぐさまクリスマス用の飾りが撤去され、正月飾りへと変えられる。洋風から和風へとがらりと雰囲気が変わるのだ。そしてその正月飾りも松の内(1月7日あるいは15日)までで、その日を過ぎるとたちまち撤去される。

日本人在中国生活时,会对一些现象感到不可思议。比如,“到了春节还在使用圣诞树和圣诞老人的装饰”。因为在日本,圣诞节一过就会立即撤掉圣诞用的装饰,更换上新年饰品,使城市气氛从西洋风瞬间转变为和风。并且,新年饰品也仅限于在装饰门松期间(从元旦到17日或15<关东和关西不同,关西略晚—译注>)使用,过了日子就会被立即撤掉。

中国の結婚披露宴でもまた、多くの日本人が驚く。それは、始まりと終わりがないことで、「今から始めます」というアナウンスがないままにやってきた人がすぐに飲食を始め、好きな時に帰ってゆくことに目を丸くする。日本の場合は全員が司会者のスタート、終了などの合図に従って動く。こうした方法に慣れている日本人は、いつ始まったのかよく分からず、終わったかどうかも定かでない中国式は、なんだか落ち着かないと感じるのだ。

也有很多日本人对于中国婚宴的流程感到震惊。比如,宴席没有明确的开始和结束时间,有时主持人还没发话“现在请大家用餐”,来宾们便已经开始大吃大喝,甚至随时离场,这让日本人很费解。在日本的婚宴上,全体来宾会听从主持人发出的开始、结束等口令统一行动。习惯了这种方式的日本人,会对没有明确开始、结束时间的中国式婚宴感到不知所措。

このように、区切りがないことに落ち着かない気持ちを覚える感性こそが、「けじめ」である。日本人にとって「けじめをつける」ことは、かなり大切なことであると言って良い。

这种因做事没有清晰的界线分别而感到不安的心理认知,就是“分寸”。对日本人而言,“把握分寸”可以说是相当重要的。

けじめとは、物事の境目、区切りを指す言葉であり、さらには「区別のある行動、節度ある態度を要求する日本的な道徳・規範」でもある。約束の時間に遅れる、正式な場に普段着で行くなどの行為は、「けじめがない」として嫌われる。「親子の間にもけじめが必要」「公私のけじめをつける」という言い方もあって、自分の子どもの世話を自分の親にみてもらう、仕事に私的な人間関係を持ち込むなどの行為も、「けじめがない」として嫌われる。さらには「親しき仲にも礼儀あり」ということわざもあるように、他人に対する(たとえ肉親であろうとも)余りの遠慮のなさや、甘えも嫌われる。

所谓“分寸”,具体指做事的界限,引申为“讲求行动合乎时宜、态度有所节制的日式道德规范”。迟到、出席正式场合不穿正装等行为,都被认为是“不合时宜”,会令人生厌。日本还有“父母和子女之间也要讲究分寸”“要公私分明”等说法。自己的孩子请父母照顾,或是工作中夹杂私人感情的行为,也会被认为是“没有分寸”而遭人嫌弃。还有谚语称“亲密有度”,即忌讳对他人(即便是亲生父母)过分亲密或撒娇。

日本人のこうした「けじめ」感は、時に中国人に日本人のことを冷たく感じさせることもあるのかもしれない。

日本人的这种“分寸”感,有时候或许会让中国人觉得日本人很冷漠。

豆知識

关于「けじめつける」的译法

通常可直译为:划清界限、搞好区别等。而如果是涉及到感情问题时,一般翻译为:做个了断(表示不拖泥带水的意思)。本文中,根据文脉关系,将「けじめ」译作了“分寸”,所以,相应地将「けじめつける」译作了“把握分寸”。

例句:仕事と游びは违うんだぞ、けじめをつけろ!
      工作是工作,玩是玩,给我好好分清楚!

      彼のような優柔不断の男とはけじめをつけたほうがいい。

      像他那种优柔寡断的男人,还是跟他划清界限比较好。

      自分の結婚生活にけじめをつけた。

   给自己的婚姻生活做了一个了断。

      子どもがいたずらをしたときは、厳しく叱らなくてはけじめがつかない。

     小孩儿恶作剧时,若不严厉斥责,他们会没有分寸。

日本人过于完美的分寸感

日本人即使和同一个人说话,也会因场合改变语气和态度。哪怕是亲密的朋友和恋人之间,在公司谈工作时也必须使用敬语,要和对待其他同事一样。在日本人看来,这种“分寸”的把握,绝对不会损害和对方的亲密关系,反而是尊重对方的表现。

 

 

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