文/福井ゆり子 翻訳/編集=銭海澎
子どもの頃、夏の夜、近所の神社やお寺の縁日(えんにち)に出かけるのが楽しみの一つだった。そこには、綿あめや焼きそば、お好み焼きを売る屋台や、アニメのキャラクターの仮面を売る店、金魚すくい注1やヨーヨー釣り注2、輪投げなどの遊びをさせてくれる露店が立ち並んでいて、子ども心をときめかせたものだ。
小时候,我最期待的一件事,就是夏天晚上去附近的神社或者寺庙赶庙会。那里到处都是卖棉花糖、炒面、煎菜饼的小摊儿和出售动画人物面具的店铺,还可以捞金鱼、钓水球、玩套圈游戏等,这些都牵动着孩子们的心。
縁日はふつう、中国の“廟会”と説明されているが、“廟会”が一番盛んなのは春節期間で、冬の風物詩と言えるものなのに対し、日本では縁日といえば夏を連想し、夏、昼間の暑さがひと段落つきようやく涼しくなった頃に、一家総出で、あるいはお友達と一緒に、浴衣(ゆかた)を着て出かけるというイメージが強い。
“缘日”通常被解释为中国的“庙会”,但中国最热闹的“庙会”在春节期间举行,可谓是冬季的风物诗。与之相对,在日本一提起“缘日”,就会联想到夏季。一般印象是,夏日傍晚,白天的暑热暂且退去,空气终于转凉的时候,全家出动或是好友相约,穿着日式浴衣外出散步。
縁日とは、もともとは「ある神仏に特定の由緒(=縁)ある日」のことで、この日に参詣(さんけい)すれば特に御利益(ごりやく)があると信じられていた。毎月5日は水天宮、18日は観世音、28日は不動尊などとされ、この日には参詣客が増えるため、参道に屋台が立ち並んだのが起こりである。
“缘日”原本是“和某位神佛有缘(如神佛诞生或显灵)的日子”,人们相信,如果在这一天参拜这位神佛会尤其灵验。比如,每月5日参拜水天宫(有保佑平安生产或送子之神)、18日参拜观世音、28日参拜不动尊(为众生扫除障难,坚守善念不动摇)等,当天,在这些神社或菩萨面前,会聚集比平日更多的香客,参道旁摊床鳞次栉比,这就是日本庙会的起源。
富冈八幡宫庙会
今ではお参りのほうは影が薄くなり、娯楽的要素が強まっている。私が子どものころによく行った深川の富岡八幡宮と深川不動堂の縁日は毎月1・15・28日の三回開かれるもので、昼前から屋台が出始めて夜の8時頃まで、参道にずらりと屋台が立ち並ぶ。
如今,参拜的仪式感日渐淡化,反倒是娱乐的要素增强了。我小时候经常去的东京深川地区的富冈八幡宫和深川不动堂的庙会就是每月1日、15日、28日举行三次,摊主上午出摊,晚上8点左右收摊,在参道上排成一排。
縁日はこのように一年中、日を決めて行われているものなのだが、定例のもの以外にも、祭りの日には人が多く集まるため、縁日も出る。疫病退散や厄除けを祈ったり、盂蘭盆会(うらぼんえ)に関連して先祖を祀ったりするため、全国各地では夏から秋にかけてお祭りが盛んに行われる。そのため、縁日も夏の風物詩とされるわけだ。
日本的庙会就像这样全年在固定的日子举行,不过,除了例行举办的庙会以外,由于节日期间也会有很多人聚集到一起,便也会举行庙会。为了祈求祛病消灾或是盂兰盆节祭祀祖先,日本全国各地从夏到秋会频繁举办各种活动。由此,庙会也就成了日本夏季的风物诗。
注釈
注1 金魚すくいは、水槽に放った金魚を丸い枠に和紙を張った道具(ポイ)で掬う遊びで、縁日では300~500円くらいで一つずつポイをもらえ、ポイに張った和紙が破れて使えなくなるまで遊べる。自分が掬った金魚は持ち帰ることができるのが一般的。和紙の部分は水に触れると弱いため、金魚を掬い上げる前に破れて使えなくなってしまうことも。
捞金鱼,就是一种用贴着和纸的圆框工具捞取放在水槽中的金鱼的游戏。在庙会上,每次花大约300~500日元就能领到一个捞鱼工具,可以一直玩到和纸阴湿破裂不能用了为止。通常自己捞的金鱼可以带走。由于和纸遇水会变软,有时候还没捞上金鱼纸就破裂不能玩了。
注2 水ヨーヨーは水風船ともいい、空気と共に水を入れた小さな風船のことで、屋台ではこの風船にゴム輪を付け、水槽に浮かべてあり、それを紙でつくったひもをつけた釣り針で釣り上げる。紙なので水に浸しているとすぐに切れてしまい、あまり多くは取れない。
水悠悠也叫水气球,是冲入了空气和水的小气球。摊主会在水气球上拴上皮筋,让其浮在水槽里,玩家可以用纸绳拴的钓钩来钓水气球。因为绳子是纸做的,泡在水里一会儿功夫就断了,所以钓不上来几个球游戏就结束了。
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