夫婦同姓(夫妻同姓)

2021-10-09 16:11:19

/福井ゆり子 翻訳/編集=銭海澎

 

中国では当たり前のことなのに、日本ではその権利を獲得しようと苦労している人たちがいる。それは、「夫婦別姓」を法律的に認めてもらおうとする人たちだ。日本では、明治憲法下で1898年に民法が施行されてから、夫と妻が同じ名字を名乗る「夫婦同姓」が基本とされ、現行の民法でも「夫または妻の氏を称する」ことが義務づけられている。しかし実際には妻の姓を名乗る夫は4%に過ぎず、大多数の女性が夫の姓を名乗る。現在は別姓も認めてほしいという声が高いにもかかわらず、根強い反対意見があり、今のところ法律的には夫婦別姓は認められていない。

尽管在中国“夫妻别姓”理所当然,但在日本,却有一些人为获得这一权利而绞尽脑汁。他们就是一群希望 “夫妻别姓”合法化的人。在日本,自1898年实施了以明治宪法为基础的民法之后,原则上奉行的是夫妻姓同一个姓的“夫妻同姓”原则。现行民法也将“使用丈夫或妻子的姓氏”视为公民义务。然而,事实上随妻子姓的男士只有4%,大多数情况都是女性跟随夫姓。虽然如今希望“别姓”也能被认可的呼声很高,但反对意见也很坚定,所以,“夫妻别姓”尚未获得法律承认。

 

これには、戸主を筆頭として家族が形成され、一つの戸籍がつくられるという日本の「家制度」がその根本にある。しかも戸主のほとんどが男性なので、結婚するということは、女性が男性を戸主とした戸籍(すなわち家)に入るということだ(4%の人は男性が女性の戸籍に入る、つまり「婿に入る」ことになる)。かつて、女の子は大きくなれば嫁に行き、「他の家の人」となるため、行儀作法ができていないのは実家の恥とされ、厳しく躾けられたものだ。ひとたび嫁に入れば、嫁ぎ先の習慣にあわせて自分を変えなければならない。その時は苦労するが、馴染んでしまえば家族の中に真に溶け込むことができる。夫婦同姓が良いと主張する人は、姓が異なると家族の一体感に影響があり、家族という制度の崩壊につながると考えているからだ。

究其根本原因在于,日本的“家族制度”是以户主为首形成家族,设立一个户籍。并且,由于户主基本上是男性,结婚就是女性并入以男性为户主的户籍(即家族)中(有4%的男性入女性户籍,也就是“入赘”)。古时候的风俗是,女子长大出嫁,就成为了“别人家的人”,所以如果不懂礼仪规矩就是娘家的耻辱,因此从小就会接受严格管教。一旦嫁人,就要改变自己,入乡随俗。虽然一时辛苦,但习惯之后,就能真正融入夫家的家族氛围中。主张夫妻同姓的人认为,如果不同姓,就会缺少家族的整体感,致使家族制度瓦解。

 

しかし、姓を変えなければいけない女性にしてみれば、今まで20年も30年も慣れ親しんできた姓を捨て、全く新しい姓になるのは、今までの自分を捨てるような、理不尽な思いがするものだ。アイデンティティーに関わるともいえる。だから、仕事で成功している女性ほど、結婚で姓が変わるのを不便に感じている。私の知り合いでも、結婚しても旧姓を使い続け、旧姓での身分証明書を得るために、証明書の更新時期だけ離婚し、またすぐ入籍し直すという離れ業をしてのけた人がいる。籍を入れない「事実婚」を選択する人もいるが、子どもが生まれるとどちらの籍に入れるかという問題が発生し、これも壁にぶち当たる。

然而,在必须改变姓氏的女性看来,抛弃迄今为止用惯了二三十年的姓氏,改姓一个全新的姓氏,就好像是遗弃了从前的自己,这很不公平。可以说这关系到自我认同的问题。所以,越是事业有成的女性,越会觉得因婚姻而改变姓氏很不便。我的朋友中,有些人为了结婚之后也能延续自己的姓氏,获取自己姓氏的身份证明,而上演只在身份证明更换期离婚,换取新证后立即复婚的绝技。也有人选择不入籍的“事实婚姻”,但孩子一出生就会伴随着入父母哪一方户籍的问题,所以也行不通。

 

 

なぜ中国では昔から夫婦別姓で、日本では同姓なのか。私は、中国では家族のつながり、血のつながりという意識が日本よりも濃いからだと考える。結婚しても姓は変わらないということも、結局は姓という「血脈」が、一生その人についてまわるもの、捨てたくても捨てることができないものという事実の現れではないか。逆に日本では「血脈」という意識が薄いため、結婚により容易に別の姓(血脈集団)へと移動することができる。家の存続は大切なので、実子がいなければ、血がつながらない養子でも構わない。日本の夫婦同姓は、法律や制度によって守られているため、ひとたび法律が変われば、家制度そのものの存続が危うくなる。しかし、時代は変わった。家制度が今の時代に必要とされるものなのか、そこから考え直す時が来ている。

为何在中国,自古以来就是夫妻别姓,而日本要夫妻同姓呢?我认为,原因在于中国的家族关系、血脉关系意识比日本要强烈。即便结婚也不改变姓氏,会让姓氏这一“血脉”在一个人身上延续终生,成为无法割舍的现实存在。反之,因为在日本“血脉”意识淡薄,结婚之后就容易跟随别人的姓氏(血脉集团)。而且,由于家族的延续很重要,如果没有自己的亲生骨肉,也可以收养和自己没有血缘关系的养子。日本的夫妻同姓受法律制度保护,所以,一旦法律变更,家族制度本身的存续也将面临危机。然而,时代变了。在今天,我们将要重新思考家族制度是否还有必要这一问题。

 

 

 

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