制服(制服)

2023-04-13 09:40:00

 

/福井ゆり子 翻訳/編集=銭海澎  

 

 

 

3月末に桜が見ごろとなるが、この季節は新しい生活への期待で胸をふくらませる時期でもある。日本の学校は新学年が4月から始まるため、新しい生活のスタートはいつだって4月だ。ちょっと大きめの、まだ体に馴染んでない制服を着て、ピカピカの学生カバンを下げている子どもは4月の風物詩だ。 

3月末是樱花的最佳观赏期,这个季节也是对新生活充满期待的时期。日本学校新学年从4月开始,所以新生活的开始总是在4月。穿着稍大的、还不太合身的制服背着锃亮书包的孩子是4月的风景线。 

  

 

日本では制服がある中学・高校が9割以上を占め、小学校でも制服があるところが少なくない。中高生の制服といえば、アニメなどで目にすることも多いと思うが、女子はセーラー服、男子は学ランともいわれる、詰襟(つめえり)の上着とズボンだ。 

日本有制服的初高中占9成以上,也有不少小学有制服。说到初高中生的制服,可能大家在动漫里经常能够看到,女生穿水手服,男生穿被称作“学兰(兰指荷兰的兰,江户时代称西服为“兰服”,因此学生穿的兰服简称学兰——译注)”的立领上衣长裤 

  

  

 

制服が最初に採用されたのは、貴族階級が通う学校であった学習院で、1879(明治12)年に詰襟の上着が制服となり、これは軍服を模したものであった。その後、帝国大学(旧制高等教育機関)の学生も詰襟の制服を着るようになり、これがエリート学生のシンボルとなり、次第に広まっていった。 

最早采用制服的是贵族阶级就读的学校学习院,1879(明治12)年立领上衣成为制服,这是仿照设计的。后来,帝国大学(旧制高等教育机构)的学生也开始穿立领制服,这便成为精英学生的象征,并逐渐普及开来。 

  

 

一方、女子の制服となったのは、和服の袴(はかま)をもとにしてつくられたスカート状の女袴で、一般的な着物よりも動きやすいため、1900年頃、女子高等学校の制服として採用された。この時期、学校に行けるのはごく少数の恵まれた女子だけで、袴に革靴という女学生たちは、この時代のファッションリーダーであり、憧れの的だった。 

另一方面,女子制服是参照和服的袴(读音 裙裤制作的裙状女袴,因为比一般的和服便于行动,1900年左右,被采用作为女子高中的制服。在这一时期,只有极少数幸运女能够上学,穿着和皮鞋的女学生们是那个时代的时尚领袖,令人仰慕 

 

  

 

ちなみにこの女学生の袴は、今では卒業袴と呼ばれ、卒業式で女性が着る定番ファッションとなっている。1920年代に洋服が流行すると、女子の制服も洋風化し、もともと帆船の乗組員(セーラー)の服装であり、西洋で女性や子供の服として人気が高かったセーラー服が、日本でも女学生の制服として定着していった。 

顺便说一下,女学生穿的袴,现在被称为毕业,成为了毕业典礼上常见的女性礼服世纪20年代,西洋服饰开始流行,女制服也随之西化,原本是帆船船员(水手)装束,在西方备受女性和孩子喜爱的水手服,日本成为了女生制服并延续下来 

  

 

今では詰襟やセーラー服といった古典的な制服は減る傾向にあり、ブレザーにギャザースカート、ズボンといったタイプの制服が多くなっている。最近では、ジェンダーレス意識の高まりから、性別により定められた制服を問題視する声も高まり、スカートやズボンなど好きなものを自由に選べる「ジェンダーレス制服」も増えている。 

如今,立领服、水手服等经典制服有减少,西装外套搭配百褶裙、长裤等类型的制服越来越流行。最近,由于性别意识的提升很多人对依据性别规定的制服提出质疑根据个人喜好自由选择穿着裙子还是裤子的性别制服也越来越多 

  

 

このように制服文化が日本に深く根付いているのは、制服が日本人の好みに合致していたためだろう。制服を着ると統一感があり、折り目正しく、清潔感がある。また、みんなが同じ服装をすることで、所属感・一体感を高めることができ、服の華美さを競ったり、着ている服に引け目を感じたりすることもない。 

制服文化之所以能够在日本深入人心或许是因为制服符合日本人的喜好。穿制服,给人一种整齐、规矩、干净的感觉。另外,大家都穿着同样的服装,可以提升归属感和集体意识,不会攀比谁穿的夺目,也不会因为穿着而感到自卑。 

  

 

こうした長所がある一方で、制服は画一さを生み、一人ひとりの個性を押し殺すという短所もある。就職活動のとき、誰も強制していないのに誰もが同じような黒いスーツを着るのも、ある種の「制服」といえ、日本人の横並び志向を示すものといえる。 

虽然制服有以上优点,但也有整齐划一压抑每个人表达个性的不足之处。在找工作的时候,明明没有强制大家都穿同样的黑色西装,这也可以说是一种“制服”,体现了日本人的看齐意识 

  

注釈 

日本の2022年のジェンダー・ギャップ指数の総合順位は146カ国中116位と低く、こうした状況を改善するため、性別の違いによる不平等・格差を取り除こうとする意識が高まっている。またトランスジェンダーの人に対する気配りもこれに含まれる。 

日本2022年的性别差距指数综合排名在146个国家中较为靠后,仅列第116位由此,人们越来越意识到要改善这状况,消除性别差异带来的不平等和差距。并且这种意识也体现在跨性别者关怀方面 

 

人民中国インターネット版

 

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