過水麻醤麺(冷やしゴマダレ麺)
「北京人の夏に芝麻醤(白ゴマペースト)は欠かせない」北京の市井に暮らす人々を描き続けた、文豪・老舎の言葉です。和え物に麺料理にと、芝麻醤は大活躍。中でも一番簡単なのがこの冷やし麺です。ゆでた麺をさっと水にくぐらすことから「過水」と呼ばれますが,日本のようにキンキンに冷やすことはありません。身体の熱を取るキュウリを添えて,北京流の納涼をぜひどうぞ。
材料(4人分)
乾麺(コシが強めのもの)400g
芝麻醤40g
醤油、塩、オイスターソース各適量
キュウリ1本
過水麻醤麺
つくり方
①キュウリを千切りにする。
②芝麻醤に塩、湯冷ましを加えてよく溶いてから醤油とオイスターソース少々を加える。基本の味付けは塩であとはほんの少々。順番を間違えると分離したりダマになったりするので注意。
③乾麺を指定の時間通りにゆで、冷水に取ってよく洗い、冷ます。
④麺を皿に盛り、キュウリをのせ、ゴマダレをかけて出来上がり。
*味変に!老北京葱花醤油(ネギ醤油)の作り方
長ネギの白いところをたっぷりみじん切りにし、お碗半杯の醤油に入れる。落花生油(なければ他の植物油)に花椒数粒を加えて熱し、花椒が黒く焦げて香りが出たら油だけを碗に注ぐ。
芝麻醤が供給不足になった年、人民代表大会の代表だった老舎先生は「芝麻醤の供給問題を解決していただきたい」と提言したそう。それほど芝麻醤は北京の夏の食卓に不可欠な食材なのです。材料も作り方もシンプルゆえ、芝麻醤の良し悪しが味を決めると言っても過言ではありません。日本の白ゴマペーストは中国のものよりゴマのいり方が浅いので、中華食材店などで良質の中国製を買って試してみてください。
北方とはいえ北京の夏はかなり暑いので、夏の麺は水にくぐらせて冷ますことで口当たりを良くします。私はコシのある麺が好きですがそこは好みで。