バーのねこ

2019-06-20 09:31:49

写真=長舟真人  文=萩原晶子

 

ここ数年、上海の街角にはボトルビール専門のバーが増えている。売りは中国国内産も含む種類豊富な銘柄と、一人で立ち飲みでも利用できる気楽な雰囲気。店の外まで人があふれている人気店も多い。そんな瓶ビール専門店の老舗といえば、2010年オープンの「DEAN’S BOTTLE SHOP」。看板ねこがいる街角バーだ。

 

仕事帰りの一人客がふらっと立ち寄るローカルバー

オーナーは日本への留学経験があるというFamilyさん。「昔、自宅の庭で50匹も保護猫を世話していたことがあるほどねこが好き」とのことで、店内には友人たちや近所のお年寄りが保護して連れてくるというねこが常時待機している。里親探しの場としても機能しているバーなのだ。一方でレジカウンターにはネイリストが陣取っており、ネイルのために来店する人もいる。

 

取材した前日に保護されたという小黄と布布

 

飲みに来たお客さんと保護猫の出会いの場

夕暮れの店内では、ネイルのお客さん、一人飲みの男子たち、ねこたち、Familyさんとその娘(小学生)が、10数平米の店内で好き勝手に過ごしている。

店の看板ねこは、数年前に当時この店で働いていたロシア人が連れてきたという白ねこのケイクス(3歳、雄)。昼間は近所で友人たちと遊び、夕方店に戻ってくるという生活だそう。夕方以降は、お客さんの座るテーブルやレジカウンターに長々と寝そべりながら接客をこなしている。

 

オーナーのFamilyさんとケイクス

 

外遊びから戻ってきて、店先で休憩中

  「DEAN’S BOTTLE SHOP」があるのは紹興路。昔ながらの古い住宅が軒を連ね、その合間に杜月笙の元別邸(現在はレストラン)や出版社のオフィス、個人経営のカフェやショップが点在している。通り沿いの「紹興公園」に梅屋庄吉像があることでも知られるエリアだ。散策がてら、休憩にねことビールを楽しんでみてはいかがだろう。

 

店の入り口には、常連たちが撮ったケイクスと保護猫たちの写真が貼られている

 

DEAN'S BOTTLE SHOP

上海市紹興路37

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