写真=長舟真人 文=萩原晶子
2020年秋に800店舗目のスターバックスがオープンし、上海は世界でもっともスターバックスが多い都市になったという。そのほかのチェーン店や個人経営カフェも含めると、市内のカフェ数は8,000店舗以上とのこと。それでもカフェはまだ増え続けている。理由は、儲け目的ではなく趣味として開業する人が増えているということらしい。
路上の小さなカフェだが、豆を選べる本格派
今年7月にオープンした長楽路のカフェ「MUNGBEAN MASH曼賓麻食」のオーナーも、本業はインテリアデザイナーだそう。木戸やモザイク風のタイルの床は、「わざとレトロに作った」とのことですべて自作。テーブルの上の一輪挿しや素焼き風のマグカップにも、デザイナーらしいこだわりが感じられる。席数は屋内と外で合わせて5つほど。利用客はテイクアウトが多いらしい。
生まれたときは弱っていたが、今は元気いっぱい
その小さなレジカウンターでくつろいでいるのがこの店の看板ねこ・ラテ(5ヶ月/雄)。手足と尻尾が太いブリティッシュショートヘアのシルバーだ。「もし買ったとしたら1万元くらいはするかも」とオーナーの周さん。だが、ラテは生まれてしばらくの間元気がなく弱っており、誰も引き取らずに残っていたものだそう。それを譲り受けたという。
カウンターの上が定位置。店の外から見えるので、思わず引き寄せられてしまう
「誰が触っても大丈夫。本当に性格がよくてやさしい」というラテ。周さんの家にはもともと夫婦のねことその子ども2匹の計4匹が飼われていたが、ラテはその輪にも邪魔せずスムーズに入っていったそう。一方でその4匹のほうは人見知りで、カフェには一切出てこないとのことだった。
お客さんと交流中
レジでコーヒーを注文する常連客と、「カフェラテの豆はどうしますか?」などと注文を取る店員の間にラテが堂々と寝そべっている風景も、この店がある長楽路では有名になりつつある。周さんは「まだ5ヶ月なのでこうして店に置いているけれど、大きくなってからは考え中」とのこと。できれば、このまま長くずっと看板ねことしてレジ横でくつろいでいてほしい。
店内のポスターにも登場(オーナーの自作)。レトロな映画のポスターをラテでアレンジ
MUNGBEAN MASH曼賓麻食
上海市長楽路684号
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