『南風窓』進撃の長江デルタ

2019-02-02 09:39:58

 

201912

 中国が現在実施している省レベルの地方行政区画の管理制度は、農業時代から受け継がれてきた知恵に富んだ行政制度だ。しかし、工業化時代に入り、特に貨幣化と情報化が進む現在、この制度は多くの問題をもたらした。例えば資金や人材などの生産要素が流動したことによる損失や、地方管理のコストの増加、個人福祉への損害など、まさにこの制度がもたらしたマイナスはますます大きくなっている。最終的に、中国の経済構造の調整やハイレベルの発展に大きなマイナス影響を与えるだろう。そのため中国政府は、地域一体化発展戦略を通じて現状を変えようと試みている。「長江デルタ一体化」の実施はこうした実験の一つだ。上海市、浙江省、江蘇省、安徽省からなる長江デルタ地域は、面積は中国の約26分の1しかないが、中国の国内総生産(GDP)の4分の1近くを占めている。「長江デルタ一体化」の発展戦略は同地域の発展を推進すると同時に、中国の全面的な改革の後押しとなるかもしれない。

関連文章
日中辞典: