人類運命共同体 どう構築

2018-09-28 16:18:02

 人類運命共同体は「中国のための策」であるのみならず、「世界各国のための策」でもあり、さらには「全人類のための策」で、世界各国の協力ウインウインの利益の「支点」を探り当てたため、強大な生命力と団結力を有する。人類運命共同体の構築は重大な意義があり、中国にとっても世界各国や人類社会の発展にとっても深い影響を持つものである。中国は「ウインウイン主義」を堅く奉じて、積極的に「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」建設を推進し、「五位一体」の人類運命共同体の建造に力を入れていく。第19回中国共産党全国代表大会(党大会、19大)の報告で提起された「五位一体」の人類運命共同体とは、すなわち持久的平和、普遍的安全、共同繁栄、開放的包容的、クリーンで美しい世界のことであり、人類運命共同体の構築のための方向を指し示し、その路線図を制定するものである。

 政治において、新時代の新型国際関係を構築し、持久する平和な世界を建設する。平和と安定は発展を追求するための重要な前提であり、中国はより明確に終始一貫して平和発展の道を歩まねばならず、世界各国と共に長く続く平和な世界を建設することを提唱している。新時代において、世界各国は「ジャングルの法則」「弱肉強食」「強者が王」「勝利者の一人占め」などの理念を捨て、侵略拡張、植民略奪、大国の小国いじめ、強国の弱国いじめなど、各種の不公平不公正な行為に断固として反対し、国際紛争や国際衝突を妥当に処理して、相互尊重公平正義協力ウインウインを核心とする新型国際関係を積極的に構築すべきだ。新型国際関係において、主要な大国間の関係はことのほか重要であり、相互補充相互補完のハイレベル戦略パートナーシップの構築は、世界の大局の維持と平和安定、人類社会の発展進歩の促進に重要な役割を持っている。

 安全保障において、新時代の新安全保障観を確立し、普遍的安全な世界を建設する。国際情勢の動揺不安、各種の従来からの安全への脅威と新たに出現した安全への脅威が尽きない情勢の下で、世界各国人民の安全保障に対する渇望はより強烈なものとなっている。新時代における安全に対する各種の脅威に対応するため、世界各国は政治安全国土安全軍事安全経済安全文化安全社会安科学技術安全情報安全生態安全資源安全原子力安全などを一体とした国家安全保障システムの構築に力を入れ、新時代の「新国家安全保障観」を確立し、「協力により平和を図り、協力により安全を促す」といった全面的安全共同安全協力安全持続可能な安全保障理念を堅持して、「自身の安全」により「世界の安全」に貢献する。

 経済において、開放型世界経済を発展させ、共に繁栄する世界を建設する。世界各国は開放イノベーションの精神を受け継ぎ、互恵ウインウイン各方面の利益獲得ウインウイン協力により、世界の経済成長に新たな動力を注ぎ込み、経済が広くバランスよく発展し、貧富の大きなギャップを効果的に埋め、心を一つにして共に繁栄する開放型世界を建設しなければならない。「内向きに縮まる」ことでは実質的に問題を解決できず、開放型世界経済の構築こそが包括的成長と持続可能な発展を実現する最も効果的なルートである。世界各国は全局を視野に入れ、長期的立場に立って、開放型世界経済を揺るぎなく安定発展させ、イノベーション発展成長連動利益融合の「協同化」世界経済をつくりあげなければならない。

 文化において、世界文化交流プラットフォームをつくり上げ、開放的包括的世界を建設する。文明の多様性は世界の基本的特徴であり、人類文明進歩の源泉と動力でもある。中国文明の精華は「和して同ぜず」「異を残して同を求める」「性質の相反するものでもすべて受け入れる」という精神にあり、これは文明の差異を正確に処理するための効果的な方策を提供している。世界各国人民は世界文明の多様性を尊重し、文明交流により隔たりをなくし、文明の相互参照により衝突を解消し、文明共存により融合を促進し、異なる社会制度や異なる信仰、異なる文化伝統の国が調和共存するモデルをつくり上げ、開放的包容的な世界を建設するための強大な力を凝集すべきである。世界各国は協力して世界的文化交流のプラットフォームをつくりあげ、世界各地に広がるインターネットを通じ、オンラインや現実での自由な交流と、全方位にわたる情報共有を実現し、多元的な文明のさらなる交流充実優良化向上を強化すべきである。

 エコにおいて、グローバルエコシステムをつくり上げ、クリーンで美しい世界を建設する。グリーン発展は人類社会の今後の重要な方向であり、人類社会の永続的発展実現のための必要条件でもある。グリーン発展とはすなわち資源要素配置のエコ化置換の実現で、新たなエコ生産関数の形成が必要とされる。また、人と自然の「天人合一」「天人相益」の実現が必要とされ、それにより人類が自然に根差し、自然に順応し、自然のためとなり、自然の恩に報いることを実現する。世界各国の人民はグリーン発展のコンセンサスをつくりあげ、グリーンでローカーボン、リサイクルや持続可能な発展の道を堅持し、クリーンで美しい世界を建設すべきである。世界各国政府は積極的にグローバルバリューチェーンのエコ化政策の手段を積極的に模索し、工業文明とエコ文明との間の関係を正確に認処理し、グローバルエコシステムの確立を急ぐべきである。

 5年前、習近平総書記は「中国の夢」と「世界の夢」を提起したが、前者はすなわち中華民族の偉大な復興の実現であり、後者は人類運命共同体の構築であった。中国にとってこれは、「天の時」「地の利」「人の和」の実現であり、世界にしてみれば、これはまさにウインウイン主義の「大同世界」の実現である。

 5年後、習近平総書記は19大の報告において、二つ目の100周年の奮闘目標の実現のための壮大な青写真を描き上げ、それはすなわち中国を富強民主文明調和の美しい社会主義現代化強国に築き上げるというもので、さらに人類運命共同体の構築も提起し、より明確かつ完全に中国の夢と世界の夢を描き出し、中国の新時代を創始し、人類の新時代をも創始した。これこそウインウイン主義時代であり、5世紀にわたる植民主義時代、帝国主義時代、覇権主義時代に終わりを告げた時なのである。まさに習近平総書記の述べた通り、中国人民は各国人民と共に、人類運命共同体の建設を推進し、共に人類の素晴らしい未来をつくり上げていくことを望んでいる。これこそが「大道之行、天下為公(大道の行われる世では、天下は公とされる)」なのだ。

(本稿は、胡鞍鋼教授と清華大学国情研究院助手研究員公共管理学院ポスドクの李萍氏の共同執筆による)

 

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