曹雨 著
南米から中国へのトウガラシの伝来は、中国の食文化に大きな影響を与えた。現在、トウガラシは中華料理の特徴の一つともいえる。同書は中国の400年余りにわたる食用トウガラシの歴史を考察し、下記のように述べている。トウガラシは16世紀後半頃に中国に伝来したが、長い間観賞用の植物として栽培されていた。最初に中華料理に用いられたのは、中心部から遠く離れた貴州省。同地は塩が不足していたため、山に住む人々は代わりにトウガラシを調味料として使った。そこから中国人の食用トウガラシの歴史が始まったという。実はトウガラシが本格的に料理に使われるようになったのは、わずかここ30年のことで、食の商品化や急速な都市化、人口の大規模流動に伴って生まれたものだ。(北京聨合出版公司 2019年6月 42元)
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