『駛向現代性』
2023-07-12 12:20:00
中国は2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟した後、自動車生産・販売台数が共に大幅に増加し、20年足らずで自転車の王国から世界最大の自動車市場へと躍進した。自動車産業と市場の急成長には、世界的な自動車メーカーや銀行、中央政府と地方政府、出稼ぎ労働者から新興の中間層に至るまで、あらゆる人が関わっている。同書は、著者の10年にわたる珠江デルタ地域でのフィールドワークに基づくものだ。今世紀に入ってから、自動車が贅沢品から必需品へとなった消費者の意識の転換の過程における、社会・経済環境の劇的な変化を検討している。また、マイカーが日常生活に引き起こした変化を通して、1960年代後半から80年代前半に生まれた中間層の社会転換期における体験を紹介している。