「キノコ王国」の雲南省では、野生のキノコだけが「菌子」と呼ばれている。雲南料理での野生キノコの重要性は、四川料理での唐辛子の重要性と同じだ。野生キノコが旬を迎えると、さまざまな毒キノコを誤って食べ、幻覚を見たという話が町に流れてくるが、それでも雲南人は野生キノコに夢中で、その程度は「中毒」とも言える。同書は文字とイラストを用いて、21種類の野生キノコの見た目や成長の特徴、面白い俗称、安全でおいしい調理方法、それから雲南人にとっての魅力度のランキングなどを紹介している。また、これらの野生キノコの物語を通じて、雲南省の風土や人情を描き、生き生きとした郷土誌ともなっている。