洞庭湖
中国郵政は5月28日に「洞庭湖」特殊切手4枚1セットと小型シート1枚を同時発売した。絵柄はそれぞれ「青々とした君山島」「凌雲塔と鶴」「城頭山遺跡の最古の水田跡」「長江との合流点」で、小型シートは「洞庭は天下の水」だ。湖南省北部にある洞庭湖は、青海湖と鄱陽湖に次いで中国で3番目に大きな湖で、古くは「雲夢沢」と呼ばれた。昔は「八百里洞庭」と称された大きさだったが、土砂の堆積と干拓により、現在は東洞庭湖、西洞庭湖、南洞庭湖、大通湖などいくつかの湖に分かれている。
「青々とした君山島」は東洞庭湖の代表的な観光スポット、1平方㌔にも満たない小さな島・君山島の美しさを表現している。「凌雲塔と鶴」には中国で最も重要な鳥類の越冬地の一つ、洞庭湖湿地にある清の時代に建てられた石塔「凌雲塔」と、その周りに舞う鶴の姿が描かれている。「城頭山遺跡の最古の水田跡」は西洞庭湖のほとりの城頭山遺跡で発掘された約8000年前の水田跡を描いた。この水田跡は世界最古で、保存状態が最も良い。「長江との合流点」には洞庭湖が長江とつながる場所を選び、また合流点に2色の鮮明なコントラストが美しい風景をはっきりと描いている。
小型シート「洞庭は天下の水」の名は「洞庭は天下の水、岳陽は天下の楼」という洞庭湖と岳陽楼を賛美する詩句から取ったものだ。湖畔にある古代中国四大名楼の一つ岳陽楼と遠くに見える君山島を描いた。1046年、北宋の名臣・范仲淹はここで名文「岳陽楼の記」を書いた。「天下の憂いに先立ちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」の一節は後世に伝わる名言となり、日本でも広く知られている。