直播间里的“陌生人”

2024-09-25 15:54:00

ライブ配信ルームの見知らぬ人 

い間連絡がなかった父が、「これはお前だろう」と画像を送ってきた。私は画面を凝視し、心臓の鼓動が速くなるのを感じた。ビッグデータがまた彼に私を紹介したのだ。画像に写っていたのは、自分の動画アカウント上で発表したもので、私の返事を待たず、父は続けて次の証拠を送ってきた。ベッドのサイドテーブル上に腹ばいになっている猫が、丸い目を見開いてこちらを見ている。彼はまた、「これはお前の猫だろう」と聞いてきた。私はこれにも「猫はみんな似ているさ」と否定の返事をすると、「お前の飼っている猫には鼻に小さな黒い斑点がある。俺はよく比べてみたんだ」と音声で返事が返ってきた。 

この秘密基地を捨て去るしかないようだと私は気落ちした。なぜなら父は驚くべき観察力を持つだけでなく、興ざめさせる能力も抜群だったからだ。以前、私が友人グループに向けてグルメ投稿をしていたら、彼は「出来合いの食べ物は健康的ではないので、自分で作ったほうがいい」と言った。残業中の画像を投稿すると、彼は「昼間真面目にやらずに、夜に残業代稼ぎか」と批判した。後に私はとうとう父をブロックしてしまったが、「見なければ心安らか」で「いい事だけを報告」というのがわれわれの平和共存のための二大原則となった。 

半年前、私は失業した。ひまなときにショート動画のアカウントを取得し、日常生活や求職活動で感じたことなどを撮影投稿すると、フォロワー数はなんと2000人を突破した。失業について、私は家族にほとんど心境を打ち明けたりしていなかった。私は父の反応を予測でき、きっと軽蔑した顔で「どうしてお前は首を切られたんだ」と言うだろう。 

夜ごとのライブ配信で、私はスナック菓子を食べたり、おしゃべりしたり、歌を歌ったり、視聴者とやりとりをしたりして、ちょっとした収入を得ていた。歌がうまいわけでもなく、容姿も平凡で、私のライブ配信ルームはうら寂しいものだった。激辛の菓子を食べたとき、私が派手にせき込んだので、「食べ方が格好悪い。口じゅうに真っ赤な油がついている」と得難いコメントを得た。また「太り過ぎ」という容赦ないコメントを寄こした人もいた。 

ちょうど腐っていたときに、プレゼントが天から舞い降りてきた。ネット仲間の「黒騎士」が「彼らを気にすることはない。頑張れ!」とコメントをくれ、この後、ライブ配信をするたびにいつでも彼がやってきて、「ギフト」をくれ、こっそりと出ていき、まるで気前のいい侠客のようだった。 

あるとき、私は求職活動の状況について話し、給料が希望よりも低かったり、通勤時間が長すぎたり、年齢制限があったりすると、ここには知っている人がいないことをいいことに、心の中の鬱屈(うっくつ)をネット上でぶちまけていた。しゃべっているうちに涙が出そうになったが、そのとき、「黒騎士」が「若者は困難を恐れてはいけない。風雨が過ぎてはじめて虹を見ることができるんだ」とメッセージをくれた。 

この年寄りじみた口ぶり、見慣れた愛称。さらに疑わしいのは彼のプロフィール画像だ。あの写真は家のデスクの上に置いてあった古いオルゴールじゃないのか。まさか父はとっくに手掛かりをつかみ、私のフォロワーとして潜伏していたのか。 

この推測を確認するため、私はコメント表示のスクリーンショットを撮り、彼を問いただそうとしたが、考えを変えた。父は私と同じように否定し、消えてしまうだろう。現実では家族とは真っ向から対立しているが、ネット上で知らない人になれば、言いたいことを言い、辛抱強く耳を傾けることもできる。こう考えてすっきりした私は、父に証拠を突き付けたりせず、彼がずっと盗み見をし続けるなら、お互いの理解のチャンスを残しておこうと思った。ただ私は「次のライブ配信では、もっと前向きな話をしなきゃ」と思った。 

翻訳にあたって 

「辣条」とは中国の激辛の駄菓子で、主に小麦粉と唐辛子でできたグルテンミートのようなもの。中国ではスマホ普及率は日本以上で、スマホ決済の普及なども相まって、スマホなくしては生活ができないほどだ。そのため、高齢者であってもスマホを自由に使いこなす人が多い。この文章にあるような「事件」も起きがちとなるのだろう。 (福井ゆり子) 

ピックアップ語彙 

(1)视频账号 動画アカウント 

(2) 扫兴 興ざめさせる 

(3)屏蔽 ブロックする 

(4)眼不见心不烦 見なければ心安らか 

(5)直播间 ライブ配信ルーム 

(6) 吃相不好 食べ方が格好悪い 

(7) 气氛尴尬 腐っている 

(8)一股脑地倾倒 ぶちまける 

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