2026年の中国経済を展望 科学技術、消費、開放が主軸に
中国人の感覚では、2026年は2月17日の春節から始まる。
どれほど寒かろうと、春節を過ぎると気候がやや暖かくなり、凍った氷も次第に融け、農家は春の農耕の準備を始め、暮らしは日増しに忙しくなってゆく。
経済の面では、26年は中国の「第15次五カ年計画」(2026~30年)の始まりの年に当たり、3月に開催される全国人民代表大会(全人代)と中国人民政治協商会議全国委員会(全国政協)で正式に「第15次五カ年計画」が審議・採択される。26年の経済動向のみならず、30年ないしは35年までの中国経済のおおよその発展状況も、この計画に基づいて判断を下すことができる。中国のように長期にわたり、経済発展の五カ年計画の策定を堅持している国は世界でもまれである。これまでに実施された第1次から第14次までの五カ年計画から見て、中国は毎回の計画およびその目標に非常に真剣に取り組み、その内容をほぼ実現してきた。それゆえに現在、人々は「第15次五カ年計画」の目標の実現に確信を抱いている。
経済建設を中心とする
ここ数年、ロシアとウクライナ、パレスチナとイスラエルの衝突など、世界で紛争が激化する中、いっそう多くの国々が軍事予算を増大させている。さらに、アジアの一部の国は数年連続で教育予算を削減し、軍事面の財政支出を大幅に増加させており、今後も軍事費が引き続き増えていく可能性が高い。そのため、これらの国々の政策は、経済建設を中心とすることを堅持できるかどうかという大きな問題に直面する。
だが、確実に言えるのは、26年以降の中国にとって、経済建設を中心とする政策は変わらないということだ。「経済建設を中心とすることの堅持」は実のところ、改革開放初期の核心的政策であり、過去40年余り変わっておらず、「第15次五カ年計画」の期間中も同様に重要な政策方針としての地位付けを保ち続けてゆくだろう。

今後10年の中国の目標は、「35年までにわが国の経済力、科学技術力、国防力、総合的国力、国際的影響力の大幅な飛躍を実現し、一人当たり国内総生産(GDP)を中等先進国の水準に到達させる」ことである。ここ2年ほど、中国周辺の環境や国際情勢、とりわけ安全保障面で重大な変化が起き、中国経済には新型コロナウイルス感染症収束後の不動産価格の下落、雇用圧力の増大、消費不足といった一連の問題が生じている。そのような中でも一貫して変わらないのは、国内および国際問題に対する中国の対応姿勢である。すなわち、中国はなおも経済発展を追い求め、経済発展の成果を得て、発展の中でさまざまな問題や困難を解決していく。
経済建設を中心とする国策を実行するため、中国はこれまでと同様にここ数年、国際的な軍事紛争をあおらず、積極的に世界平和を呼び掛け、第2次世界大戦後に確立された国際秩序を守っている。国際環境が安定していればこそ、良好な経済成長の条件がもたらされる。
科学技術の自立と開放
過去40年余りの経済建設を中心とする長期的国策を振り返ると、その内容にはいくつかの変化が見られる。経済発展の初期においては数多くの外国の技術と海外資本の導入が主だったが、現在では国内の科学技術の発展と消費の向上が中心となり、それと同時に開放が堅持されている。中国の開放とは海外の技術や資本の導入のみならず、輸入拡大をも意味する。また、単に中国製品の海外輸出にとどまらず、対外技術移転や資本の提供といった新たな中身も加わっている。
筆者は北京や上海などの大都市やあまたの中小都市を訪ね、多くの中国企業が独自のイノベーションや鍵となるコア技術のブレークスルーに力を入れ、科学技術の革新と産業の革新の深い融合を推し進めているのを目の当たりにしてきた。中国では日常生活における決済手段のデジタル化や生産過程での人工知能(AI)の大規模な導入など、デジタル化建設が大々的に進んでいる。もともと工業化で先行していた欧米や日本などと比較して、中国は新たな技術革新と生活・生産活動の結び付きが極めて密接であり、その技術進歩は後追いの状態から次第に先をゆく段階へと移りつつある。26年以降、中国はますます多くの分野で先行する可能性がある。
米国など一部の国は、半導体チップやハイエンド製造設備、先端素材、重要な医療・医薬分野に関し、中国に対して輸出制限を課している。これにより、中国はそれらの分野における科学技術の自立を迫られており、結果的に政策や資金などさまざまな面での関連するブレークスルーが促されている。来年以降、他国に依存する分野が増えることはなく、次第に減っていくと予測される。より全面的な科学技術の自立が成し遂げられることで、中国経済の安定的発展の基礎はいっそう強固なものとなるだろう。
中国の地方都市の消費力に関する筆者の見立てでは、大都市では新型コロナウイルス感染症前と比べてぜいたく消費が減った一方、中小都市の消費力が顕著に高まっている。昨年末、中国政府は「個人消費率の顕著な上昇」の実現を提起しており、26年の消費環境はいっそう充実したものになると見込まれている。
開放に関して上述の特徴以外に筆者が重視しているのは、26年にいかにして「質の高い外資誘致」を進めるべきなのかという点だ。これは今後、産業チェーンの不足を補い、ハイエンド技術をもたらす高付加価値分野の外資の誘致により重点を置いていくことを意味している。日本は生産技術の研究開発と蓄積が盛んな国であり、中国との協力のチャンスをいっそう多く有している。
日米を上回る中国の経済成長率
日米による中国の経済成長予測に関するレポートを読むと、成長スピードが鈍化するといった内容が繰り返し強調されているのを目にする。
確かに、中国経済の成長スピードは05年から25年までの20年の間にスローダウンしている。だが、国際通貨基金(IMF)が発表した関連データによると、05年の中国のGDPは前年比プラス11・44%の2兆3200億㌦、15年は前年比プラス7・02%の11兆3000億㌦、25年は前年比プラス4・8%の19兆3900億㌦だった。また、富の新たな増加の面では、05年は2654億㌦、15年は7936億㌦、25年は9307億㌦だった。25年、中国は前年比プラス4・8%成長の中で、前年比プラス11・44%成長だった05年に比べて3倍以上の富を創出したのである。
中国と日米の相互比較にも顕著な特徴が見られる。同じ時期、日本のGDP成長率は05年が1・8%、15年は1・56%、25年は1・08%、米国はそれぞれ3・48%、2・95%、2・02%だった。中国は経済規模で日本を大きく上回り、インフレ率で米国を大きく下回るが、日米よりも高い経済成長率を保っている。
周辺の一部のノイズの影響を受けず、経済建設を中心とすることに専念し、科学技術の自立と消費向上を成し遂げ、引き続き開放政策を進める。それにより、26年以降の中国経済は必ずや持続可能な成長を実現できるはずだ。
人民中国インターネット版