中国電池産業の急成長 中日企業は深い協力関係を形成
今年5月13日、第18回深圳国際電池技術交流会が深圳国際コンベンションセンターで開幕した。世界最大規模の電池業界展示会であるこのイベントには、日立グループが、日立ハイテクをはじめ、科学機器、分析機器、コンプレッサー関連のグループ企業と共同出展し、各国企業が集う会場の中でもひときわ注目を集めていた。
技術面では、日立は形態分析、元素分析、水分分析、物性分析などを含む一連の電池検査ソリューションを展示した。日立はすでに単なる技術提供者ではなく、電池産業の未来を見据えた戦略的パートナーとしての役割を担っている。

日立の出展内容からは、この20年間で中日両国の電池産業における技術開発や生産の特徴が大きく変化し、それに伴って企業間協力の在り方にも新たな特徴が現れていることが見て取れる。
もともと日本企業が先行
十数年前、世界の電池業界をリードしていたのは、日本のパナソニック、GSユアサ、ソニー、そして韓国のサムスンSDIやLG化学であった。中国企業は技術力、品質、ブランド認知度のいずれにおいても、ほとんど存在感を示せていなかった。
私は2010年の北京モーターショーで、日産リーフが中国市場で初めて披露されたことをよく覚えている。純電動駆動によるゼロエミッションを実現し、ホイールベースは2700㍉に達していた。さらに、当時としては画期的な積層型コンパクトリチウムイオン電池技術を採用しており、人々を本当に魅了する車であった。
電池や電気自動車は本来、日本企業が技術的優位を持つ分野であった。しかし、この数年間で状況は大きく変化した。韓国の市場調査機関SNE Researchが発表した昨年の世界車載電池搭載量データによれば、寧徳時代(CATL)は39・2%の市場シェアで世界首位を維持し、これで9年連続のトップとなった。これに続くBYDも2桁の市場シェアを確保している。両社を合わせた市場シェアは55%を超え、世界市場の過半を占めている。世界の車載電池搭載量上位10社のうち、中国企業は6社を占め、市場シェアの合計は初めて70・4%を突破した。一方、日本勢で唯一残ったパナソニックの市場シェアは4%未満まで低下している。
中国の電気自動車産業全体の急成長が、電池産業の勢力図の変化をもたらしたのである。中国企業は6カ月ごとに車載システムをアップデートするが、日本企業では2年の意思決定サイクルすら終わっていないことも少なくない。これは技術力の問題ではなく、意思決定メカニズムやリスク選好の違いによるものである。日本の自動車メーカーも多くの技術を保有しているが、新しいスマートコックピットシステムを導入するには、検討から最終搭載まで日本本社で幾重もの承認を経なければならず、少なくとも2年を要する。2年後には、中国メーカーはすでに3~4回の世代更新を終えている。
ここに、日本企業自身の大きな対照がある。1980年代、日本のカメラメーカーは早くから電子技術を大規模にカメラへ導入した。オートフォーカス、自動露出、自動フィルム巻き上げによって、写真撮影は誰にとっても身近なものとなった。日本ブランドは電子化による利用革命を武器に、急速に世界市場を席巻したのである。
しかし、カメラ分野で積極的に電子技術を受け入れた日本は、自動車の電動化時代になると、まったく異なる道を選択した。
トヨタは今年5月に電気自動車戦略を修正した。本田技研工業も同時期に電動化戦略の見直しを正式発表し、2030年までに新車販売に占める電気自動車比率を20%とする目標を取り下げた。また、40年までに全車種をEVまたは燃料電池車へ移行するというロードマップも放棄し、経営資源を大幅にハイブリッド技術へ集中させる方針へ転換した。
昨年、中国の新車販売台数における電気自動車の比率は48%を突破し、世界の電動化をけん引する中核的エンジンとなった。BYDの昨年上半期の世界販売台数は214万台に達し、そのうち海外販売は45万台である。すでに112の国・地域に進出している。
では、日本企業は本当に電動化技術を持っていないのだろうか。もちろんそうではない。中国製電気自動車の部品リストを見れば、IGBTパワー半導体から車載カメラ用センサー、駆動モーターに使用される高性能磁性材料、フィルムコンデンサーに至るまで、多くの重要な電子部品の中核設計・製造技術は依然として日本系サプライヤーが握っている。
問題は日本に技術があるかどうかではなく、「新技術をどのように活用するか」という認識の違いにある。かつて日本企業はカメラにいち早く電子チップを搭載することをためらわなかった。しかし現在、電気自動車やスマートコックピットに直面すると、極めて慎重な姿勢を選び、多くの市場リスクを冒すよりも、慣れ親しんだ従来路線を歩むことを選択している。
百花繚乱こそが春
中日両国の電池・電気自動車産業における逆転がすでに現実となったのであれば、今後の中日企業協力の可能性はどこにあるのだろうか。
電池材料分野では、21年に旭化成が世界最大のセパレーター製造企業である上海恩捷新材料科技有限公司(SEMCORP)と江西省で合弁工場を設立し、大型蓄電システム向けの低コストセパレーターの生産を開始した。旭化成は基盤技術と特許を提供し、恩捷は生産管理能力と中国市場での経験を提供することで、双方がコスト削減と効率向上を実現し、エネルギー貯蔵市場の急拡大に対応した高競争力の生産体制を構築している。
今年の電池展示会における日立の姿勢は、もう一つの答えを示しているのかもしれない。それは、電池産業の未来を見据えた戦略的パートナーとなり、中国の電池産業と補完関係を築くことである。
さらに注目すべきなのは、トヨタと日産が中国市場向けEVにおける中国製部品の採用比率を大幅に引き上げていることである。トヨタbZ3Xでは中国製部品比率が9割近くに達している。その理由は単純かつ明快である。中国製部品のコストは日本企業製より30~40%低く、開発から量産までに必要な期間もわずか10カ月で、日本企業より半年以上短い。自動車産業の「新四化」(電動化・スマート化・ネットワーク化・共有化)を巡る競争において、中国の製造業は単なる低コストの選択肢から、効率と技術の中枢へと変貌しつつある。
電池技術に目を向けると、昨年末時点で中国の全固体リチウム電池関連特許出願件数は3341件、日本は3225件であり、両国はほぼ肩を並べている。両国を合わせると世界全体の特許件数の半数近くを占める。全固体電池を巡る競争と協力の中で、寧徳時代やBYDに代表される中国勢と、日立やパナソニックに代表される日本の老舗企業との間では、それぞれの資源や強みが明確に存在している。
中国市場に対して、日本企業は新たな意欲と姿勢を示し始めている。単なる製品輸出にとどまらず、より深い産業融合が進みつつある。日立はサプライチェーン全体を通じて中国の新エネルギー産業競争に参画し、トヨタと日産は中国を世界的な新エネルギー技術のインキュベーション拠点、ビジネスモデルの実験場として位置付けている。また、旭化成と恩捷は電池用セパレーター分野で緊密な協力関係を築いている。
一部の識者が指摘するように、中日企業による新エネルギー分野での協力は、今後さらに規模と範囲を拡大し、技術、サプライチェーン、市場を含む全方位的な協力へと発展していくだろう。
百花繚乱にしてこそ、春は庭いっぱいに満ちるのである。
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