郭沫若から坂田昌一に送られた揮毫作品寄贈式が東京で開催

2024-05-30 17:19:00

中国社会科学院古代史研究所や東京都日中友好協会、中日交流フォーラムが共同で主催する「郭沫若から坂田昌一に送られた揮毫作品寄贈式」がこのほど東京で開催された。中日友好団体や華僑・華人、メディアなど各界の代表約50人が参加した。人民網が報じた。

郭沫若が坂田昌一に送った揮毫作品を郭沫若紀念館に寄贈する坂田昌一氏の息子・坂田文彦氏(写真一番左、撮影・許可)。  

中国社会科学院古代史研究所の前身は、郭沫若氏が創設し、初代所長を務めた中国科学院歴史研究所だ。郭沫若氏は、著名な文学者、歴史学者であるだけでなく、中日友好にも多大な貢献をした。一方の坂田昌一氏は日本の著名な物理理論者であるだけでなく、中国科学界の「旧友」でもあり、郭沫若氏と深い友情を育んだ。坂田昌一氏の息子・坂田文彦氏は父親の中国に対する友好的な思いを受け継ぎ、大切に保管してきた郭沫若氏が坂田昌一氏に送った揮毫作品5点を中国社会科学院古代史研究所傘下の郭沫若紀念館に寄贈することを決めた。

寄贈式では、日中友好会館の黄星原・中国代表理事が挨拶の中で、「今回、坂田文彦氏が長年大切に保管してきた郭沫若氏が送った貴重な作品を北京の郭沫若紀念館に寄贈したことで、上の世代の両家族の友誼の逸話が伝承され、両国の世代を超えた友好を保つ決意と信念が伝えられ、さらに、現在、困難に直面している中日関係に希望と光をもたらした。長年続く坂田家と郭家の友誼がさらに輝きを増すこと、そして中日両国の国民の友好が永遠に活力を保つことを願っている」と語った。

中国社会科学院古代史研究所の趙笑潔党委員会書記の挨拶を代読した郭沫若紀念館の梁雪松副館長は、「坂田文彦氏が大切に保管していた揮毫作品5点は、二人の真摯な友誼を伝承し、平和と友好を願う中日両国の国民の思いを伝えているほか、中日友好文化交流の証でもある。上の世代の友好関係者は、私たちのために中日友好の道を切り開いてくれた。私たちは今、その道を歩み、中日学術界の友誼を受け継いでおり、両国の歴史と文化の分野の交流を深め、中日関係が今後も安定して、長期にわたって発展するための道を開くために、貢献すべきだ」と語った。

坂田文彦氏は父親と郭沫若氏の友誼や坂田昌一氏がかつて、世界情勢が緊迫している状況下で、数々の困難を乗り越え、中国を何度も訪問し、学術交流を展開し、中日の科学者間の研究交流を促進したことを振り返ったほか、坂田昌一氏が重い病気にかかった際、病状が少しでも良くなるようにと、郭沫若氏が中医薬を日本に送ってくれたことにも言及した。現在は、坂田文彦氏も中国との科学の分野の共同研究に従事しており、中国に30回以上訪問してきた。そして、今回、両家族の友誼の証を郭沫若紀念館に贈呈することを決め、日中の友好が世代を超えて受け継がれていくことを願っていると語った。

郭沫若氏の子孫で、日本郭沫若研究会の藤田梨那会長は、「坂田氏が寄贈した郭沫若の揮毫作品には、たくさんの歴史的エピソードが詰まっており、日中友好の象徴でもある。先人たちの人類の平和と科学の発展への多大なる貢献を忘れてはいけない」と語った。中日交流フォーラムの張可喜名誉会長は、「これは中日文化交流の歴史における素晴らしいエピソードとなるだろう」とし、坂田文彦氏の今回の寄贈に敬意を表した。東京都日中友好協会の伊藤洋平理事長は、「当協会は日中友好の伝統を受け継ぎ、両国間の交流をさらに促進していく」と語った。

寄贈式では、1955年、郭沫若率いる中国科学使節団訪日を迫ったドキュメンタリー映画「路、在開拓」も上映された。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年5月30日

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