奇跡の発展を遂げる合肥市 新興産業と科学技術の進化

2020-02-21 12:23:01

 

家電の町から新興産業の集積地に

中国の中部に位置する安徽省は、昔から重要な農産物の産地だったが、工業とサービス業はなかなか発展しなかった。2004年から国の「中部台頭計画」が実施されると、全国の経済構造の調整によって、東部沿海地域から中部地域への産業移転の受け皿として、地理的優位性が現れ始めた。東部と西部をつなぐ地理的条件や比較的低い原価、優れた教育資源、十分な労働力を見込んで、国内外の多くの企業はここで投資起業し、家電製品、設備製造、自動車部品をはじめとする主幹産業が急速に発展した。

合肥の家電産業といえば、ハイアール、グリー、三洋など国内外で有名な16のブランドと500以上の関連企業があり、テレビ冷蔵庫洗濯機エアコンといった4種類の家電の生産量は何年も連続で中国1位を誇り、中国で生産された冷蔵庫の3分の1、洗濯機の4分の1は合肥で作られたもので、合肥はすでに中国最大の家電製造拠点になっている。

 

日立建機の油圧ショベルの組み立てライン(写真王浩/人民中国)

合肥経済技術開発区で、日立建機(中国)有限公司を取材した。日立建機は1995年、ここに工場を建設した。中国市場の油圧ショベルに対する需要の増大に伴い、当初は小規模だったものの急成長を遂げ、近年の生産販売量は年間1万台を超え、建設機械業界のトップになっている。梶田勇輔社長によると、97年に出張で合肥に来た際、当時の合肥開発区はまだ未発達の状況だった。その後、出張で何度も合肥を訪れるにつれ、毎回イメージが変わっていった。合肥の発展スピード、技術進歩とIT技術の生活への浸透度に驚きを感じ、ITの進化に合わせて技術を研究開発し、新しい製品に応用するように取り組んでいきたいという。

この開発区にあるもう1社の日系企業、アーレスティ自動車部品有限公司で、生産の好調ぶりを見た。軽量化した環境にやさしいエンジンとアルミダイカストの変速機は中国市場で人気を呼び、生産開始からわずか7年間で、すでにスケールメリットが生まれている。

現在、25年前に設立されたこの合肥市最大の開発区に入居した日系企業は、同開発区の外資企業のうち約3分の1を占めている。

ただ東部の産業移転を引き受けるだけでは、合肥の製造業は持続的には発展できない。そこで、合肥は「無から有を生む」「小から大にする」精神で新興産業を育成し、次世代ディスプレイ、ロボット、音声認識AI、太陽光発電など中国や世界で影響力を持つ多数の産業集積拠点を形成した。

2017年、京東方科技集団(BOE)の世界初となる最高世代の第105世代液晶パネルの生産ラインが合肥で稼動し、業界の先頭を走ることとなった。液晶パネルはテレビ、コンピューター、スマートフォン、各種のディスプレーに幅広く使用されており、これまでに稼動した数本の生産ラインと合わせて、同集団のディスプレー出荷量は世界一になっている。

 

新駅新技術産業開発区にある京東方(BOE)公司

09年以前、合肥のフラットパネルディスプレー産業の生産高はゼロだった。しかし、BOEが合肥に最初の生産ラインを設置したのに続き、米国のコーニング社、日本の住友化学など産業の上下流にある多数の企業がここに集まり、完全な産業チェーンが出来上がった。現在、この「無から有を生んだ」産業の生産高はすでに1000億元規模に達している。フラットパネルディスプレーを基幹とする電子情報産業は伝統的な家電製品に取って代わり、工業成長率に対する貢献度が最も高く、新興産業全般の発展をけん引している。

合肥の製造業は鮮明な特色を持ち、モデルチェンジを素早く実現し、中国の重要な先進製造業の拠点になっている。5月に世界製造業大会が合肥で開催され、「メイドイン合肥」はますます知られるようになった。

 

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