習近平国家主席は23日午前、ロシア・カザンで開催されたBRICS第16回首脳会議に出席し、重要演説を行った。習主席はBRICSの発展における大局的、方向的、戦略的問題に着眼し、「平和のBRICS」「イノベーションのBRICS」「環境に配慮するBRICS」「公正なBRICS」「人と文化のBRICS」の構築を提言し、BRICSが集団として新たに出発し、「グレーターBRICS協力」の質の高い発展という新局面を切り開く後押しをするための方向性を示した。（人民日報コラム「和音」掲載）

BRICSが共に歩むことは、共通の追求に基づき、世界の平和と発展の大勢に沿ったものだ。BRICSは創設以来、常に開放・包摂、協力・ウィンウィンという初心と使命を堅守し、世界平和の維持、共同発展の促進、グローバル・ガバナンスの整備、国際関係の民主化促進に尽力し、国際問題における前向きかつ安定的で、社会に対して良い影響を与えるパワーとなってきた。加盟国拡大はBRICSの発展の歴史における重要な一里塚であり、国際構造の変化を象徴する出来事でもある。BRICS協力への参加希望国が増え続けていることは、BRICS協力体制の強い生命力と影響力をはっきり示しており、人々が平和的発展と協力・ウィンウィンを求めていることの表れだ。

現在、世界は百年間なかった変局が加速し、多極化という新たな局面もあれば、「新冷戦」という危険な局面もある。この歴史の重要な時期において、習主席は「平和のBRICS」「イノベーションのBRICS」「環境に配慮するBRICS」「公正なBRICS」「人と文化のBRICS」の構築を打ち出し、人類運命共同体の観点から「グレーターBRICS協力」の青写真を描いた。これは、BRICSに共通する価値観を一層凝集し、BRICSの共通利益を維持し、BRICSの団結による自強を促進し、BRICSを「グローバル・サウス」の団結と協力の主要ルート、グローバル・ガバナンスの変革促進の先鋒勢力にしていくことになるだろう。

人類は分かつことのできない安全保障共同体であり、BRICSは共通の安全保障の維持者となり、共通・総合・協調的・持続可能な安全保障観を実践し、普遍的安全の道を歩む必要がある。新たな科学技術革命と産業変革が急激に進展する中、BRICSは質の高い発展の先駆者となり、新たな質の生産力を育成する必要がある。環境への配慮はこの時代の基調であり、BRICSは持続可能な発展の実践者となり、グローバルなグリーン・トランスフォーメーション（GX）、低炭素トランスフォーメーションの推進に自ら融け込む必要がある。国際的なパワーバランスは深い変化の最中にあるが、グローバル・ガバナンス体制の改革は長期にわたって滞っている。BRICSはグローバル・ガバナンス体制の改革の先導者となり、真の多国間主義を実践し、BRICS協力体制への参加を求める各国の声に積極的に応える必要がある。BRICSには、厚い蓄積を持つ歴史と絢爛たる文化が集まっている。文明共生の提唱者となり、異なる文明が互いに照り映え、BRICSの前進の道を明るく照らし出すようにする必要がある。

中国はBRICSの発展の提唱者であるのみならず、BRICS協力の長期安定的発展を促進する行動派でもある。中国はブラジルと共に「グローバル・サウス諸国」関係国とウクライナ危機「平和の友」グループを立ち上げ、中東各方面に早期の停戦と殺戮停止を呼びかけ、パレスチナ問題の包括的で公正かつ永続的な解決のためにたゆまず努力している。また、BRICS深海資源国際研究センター、BRICS特殊経済区中国協力センター、BRICS工業能力中国センター、BRICSデジタル産業生態協力ネットワークの設立を発表し、グリーン産業、クリーンエネルギー、及びグリーン鉱産物協力BRICSを拡大している。さらに、新開発銀行（NDB）の拡大・強化を提言し、BRICSデジタル教育キャパシティ・ビルディング計画の実施を約束した。習主席の打ち出した一連の実務的措置が、「グレーターBRICS協力」の深化と着実化を力強く後押しし、「グローバル・サウス」諸国の団結と協力を促進し、世界の平和と発展に新たな原動力をもたらすことになるのは間違いない。

時代の波風が高まり、強まるほどに、BRICSはより一層果敢に立ち向かい、「グレーターBRICS協力」の質の高い発展という新たな章を共に記す必要がある。中国はBRICS各国と共に、平和・発展・協力・ウィンウィンの旗を高く掲げ、BRICSの力を示し、さらに多くの「グローバル・サウス」諸国と手を携えて人類運命共同体の構築を促進することを望んでいる。（編集NA）

「人民網日本語版」2024年10月25日