過去10年間近くの中国水使用量が「ゼロ成長」 質の高い発展がカギ
過去10年間近く、中国は国内総生産(GDP)が2倍近く成長しながら、水使用量の「ゼロ成長」を実現した。中国は世界の6%を占める淡水資源で、世界の人口の20%近くの水使用を保障し、世界の経済規模の18%以上を創出している。水使用の「ゼロ成長」にはどのような意味があるか。
■発展方法の転換、費用対効果の効率が向上
浙江省紹興市柯橋区では、水を大量に使用する染色産業が節水にじっくり取り組み、全区の水再利用率は23%に達した。寧夏回族自治区の寧東エネルギー化学工業拠点では、水源から水道の蛇口まで全プロセスの監督管理が行われ、毎年570万立方メートル近い水を節約した。水から見ると、グリーン発展の理念がしっかり根付き、質の高い発展が着実に推進されている。
ここ数年、国による水使用量の割当制度が農業、工業、生活サービス業をほぼカバーし、各産業の水使用の指針が示された。工業企業は先進的な節水技術、節水工程、節水設備を積極的に採用し、コストの低下と効率の向上をより力強く支えている。水を前提条件として都市、地域、人口、産業に関する決定が行われ、高効率の節水が強く求められている。2023年は2014年に比べて、GDP1万元(1元は約21.5円)当たりの水使用量が41.7%減少し、工業付加価値額1万元当たりの水使用量も55.1%減少した。
■水資源の利用方法の変革 節水能力がより強く
中国の水資源は「夏は増水、冬は枯渇、北は不足、南は豊富」というようにアンバランスであることが、発展の全プロセスにおいて節水を優先させる方針を堅持しなければならないことを決定づけた。農業では、節水と良種、点滴灌漑とスプリンクラーによる散水などを普及させ、穀物が年々豊作であることを前提として、全国の農業灌漑用水使用量はゼロ成長を達成した。工業では、技術プロセスの刷新により、水を何回も利用したり、循環させて利用したりするようになり、23年の全国の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の工業用水の再利用率は93%を超えた。日常生活では、節水型社会の基準を達成した県、節水型都市、節水型大学が次々に現れ、23年の都市公共水供給パイプラインの漏水・破損率は10%以下に低下した。水資源の利用方法が粗放型・低効率から集約型・高効率へと転換した。
■行政と市場が「両方から力を入れる」 水資源管理の水準が絶えず向上
水ガバナンスは行政の主な職責だ。「用水節約条例」を積極的に実施し、省・市・県の3レベルの行政エリアの水総使用量と水使用強度のコントロール指標の管理を強化し、水を大量に使用する産業のプロジェクト建設を厳格にコントロールし、制度の網の目をますます緻密に張り巡らし、水資源の管理をより科学的に、より精度の高いものにしている。
市場の「見えざる手」が大いに力を発揮している。水資源税の改革試行事業を12月1日から全面的に実施する。節水重点企業を積極的に育成し、27年までに節水産業の規模を1兆元に引き上げる。農業用水の精度の高い補助金制度と節水奨励メカニズムを整備し、水利権の制度体系を整える……節水に向かう内在的な原動力が絶えずかき立てられ、節水は徐々に社会全体の自発的な行動になっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年11月14日