手を携えてアジア太平洋の発展に新時代を切り開く

2024-11-19 17:01:00

習近平国家主席は現地時間11月16日午前、ペルーの首都リマで開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)第31回非公式首脳会議で重要な演説を行った。習主席は「開放的で相互に連結されたアジア太平洋協力の枠組みの構築」「グリーン・イノベーションをアジア太平洋の成長の原動力として育成」「普遍的に恩恵をもたらすインクルーシブなアジア太平洋発展理念の確立」を提言し、改革開放は中国と世界が共に発展し進歩する歴史的プロセスであり、中国の発展はアジア太平洋と世界の発展にさらに多くの新たな機会をもたらすことを強調した。習主席の演説は、アジア太平洋協力の安定した持続的な発展のための方向性を示し、手を携えてアジア太平洋の発展に新時代を切り開くための道筋を明確にした。(人民日報コラム「和音」掲載)

開放と相互連結は阻むことのできない歴史の趨勢であり、アジア太平洋協力の成功経験でもある。アジア太平洋の各国は多国間主義と開放型経済という大きな方向性を堅持し、世界貿易機関(WTO)中心の多角的貿易体制を断固として守り、世界経済・貿易ルールの「インキュベーター」としてのAPECの役割を十分に活性化させ、地域経済統合とコネクティビティの推進に力を入れ、貿易、投資、技術、サービスの流れを分断する高い障壁を取り除き、産業チェーンとサプライチェーンの安定性及び円滑性を維持し、アジア太平洋と世界の経済循環を促進する必要がある。今回の会議では、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構築に関する新たな指針文書が採択された。これは、アジア太平洋の開放型経済の発展に新たな弾みをつけるものとなる。開放による改革促進を堅持し、国際的な高水準の経済・貿易ルールと主体的に整合性を図り、自主的な開放を積極的に拡大し、全世界に向けた高水準の自由貿易圏ネットワークを拡大し続けている中国は、アジア太平洋、さらには全世界の開放的協力の提唱者であり、行動者である。

グリーンは現代の基調であり、イノベーションは成長へと繋がるチェーンを解き放つための鍵である。グリーン・イノベーションを積極的に推進してこそ、アジア太平洋の成長空間のたゆまぬ拡大が可能となる。アジア太平洋諸国は新たな科学技術革命と産業変革の機会をしっかりと捉え、人工知能(AI)、量子情報、生命と健康など最先端分野で交流と協力を強化し、開放的で公平・公正かつ差別のないイノベーション・エコシステムを構築し、アジア太平洋地域の生産力の飛躍を後押しする必要がある。また、環境優先、資源節約・集約、グリーン・低炭素発展を堅持し、デジタル・トランスフォーメーションとグリーン・トランスフォーメーションの協調的発展を促進して、アジア太平洋の発展に新たな原動力と優位性を生み出す必要がある。

中国は現在、現地の状況に応じた方法で新たな質の生産力を発展させ、各国とグリーン・イノベーション協力を深めており、「グローバル・クロスボーダー・データフロー協力イニシアティブ」を発表する。各国と共に効率的で便利かつ安全なクロスボーダー・データフローを促進することを望んでいる。中国はAPECにおいて貿易書類のデジタル化、グリーン・サプライチェーンのキャパシティ・ビルディング、人工知能(AI)交流・対話、食糧産業のデジタル化などを提言し、アジア太平洋の質の高い発展に貢献する。

普遍的恩恵とインクルーシブネスを堅持してこそ、発展の不均衡や不十分といった問題への効果的な対処が可能となる。習主席は、APECという場を活用して経済技術協力を強化し、発展途上エコノミーや社会的弱者への支援を強化し、経済発展の「パイ」を大きくし、うまく分かち合うことで、より多くのエコノミー、より多くの人々が発展の成果を享受できるようにする必要性を強調した。中国はAPECにおいて住民所得の増加や中小企業のクラスター発展の促進などのイニシアティブを推し進め、アジア太平洋経済があまねく恩恵をもたらすインクルーシブな発展へと向かうよう助力していく。

開放と相互連結、グリーン・イノベーション、普遍的恩恵と包摂性は中国の新たな発展理念と流れを同じくするものであり、自らの発展によってアジア太平洋の発展により良く活力を吹き込み、各国と手を携えてアジア太平洋の質の高い発展を促進すべく尽力するという中国の揺るぎない決意をはっきりと示している。中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議(三中全会)は、さらなる改革の全面的深化と中国式現代化の推進について体系的な方針をまとめ、300余りの重要な改革措置を打ち出した。これは、中国の経済・社会発展に強力な原動力を与え、各国の共同発展にも大きな機会を提供するものとなる。中国は、各国が引き続き中国の発展の「急行列車」に同乗し、中国経済と共に発展し、平和的発展、互恵協力、共同繁栄に基づく世界各国の現代化の実現に共に努力することを歓迎する。

2026年に中国は3度目となるAPEC議長国を務める。中国は、各国と共にアジア太平洋協力を深め、プトラジャヤ・ビジョン2040を共に実行に移し、アジア太平洋共同体とアジア太平洋自由貿易圏の構築を推し進め、各分野の実務協力において成果を挙げ、アジア太平洋と世界の経済成長を共に後押しすることを望んでいる。(編集NA)

「人民網日本語版」2024年11月18日

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