中国の年間宅配便取扱個数1500億個突破!中国製品の海外進出も後押し
11月17日、中国の年間宅配便取扱個数は初めて1500億個の大台に乗り、過去最多となった。
1500億個の荷物は、一列に並べれば地球と月の間を50回往復できるだけの数で、2022年の全世界の宅配便取扱個数の約80%に相当する。中国の今年1-10月の月平均宅配便取扱個数は140億個に達した。これは日本と韓国の2022年の年間取扱個数を上回る。中国の宅配便業務は高い基数で急成長を続けており、その増加率は世界平均の3倍以上であり、間違いなく世界の宅配便市場の「原動力」と「安定化装置」になっている。
小さな宅配便が千の都市と百の産業をつなぎ、オンラインとオフラインを結びつけ、経済運営の「毛細血管」として機能している。1500億個の荷物には、中国経済の盛んな活気が秘められている。
■山間部から出荷されるリンゴ
1500億個目の荷物は、甘粛省天水市の特産品である「花牛リンゴ」1箱だった。この荷物は、消費者がオンラインで注文し、宅配物流会社・極兔速逓(J&T Express)がその日のうちに販売業者から集荷して重慶へと発送したものだ。ネット通販業者が導入した僻地における「中継無料配送」モデルのおかげで、農産物の配送はさらにスピードアップした。J&T Expressは「花牛リンゴ」だけで、すでに年間300万件以上の注文を取り扱っている。宅配企業とネット通販業者の提携により、配送網はより山深い地域にまで広がっている。国家郵政局によると、全国には取扱量1000万個以上の「金メダルプロジェクト」がすでに143件あり、現代農業の発展を支えている。
■世界各地へ届けられる中国製品
エッフェル塔のキーホルダー、フランスの伝統的なシルクハット、オリンピックのシリコンリストバンド……。物流会社「菜鳥」の効率的な越境EC物流システムによって、観戦ムードを盛り上げる中国製品がパリ五輪に登場し、「オリンピック経済」を後押しし続けた。今年7月、菜鳥のヨーロッパ専用倉庫の発送件数は5月と比べて3倍以上に増加した。海外倉庫が拡大し、貨物機の導入が加速したことで、宅配ネットワークはさらに遠くまで広がっている。昨年、中国の宅配便業界は1兆8300元(1元は約21.4円)の越境EC輸出額を支え、中国製品の海外進出を力強く後押しした。
■小さな眼鏡、大きな市場
江蘇省丹陽市は、世界最大のメガネレンズの生産拠点だ。工場では、レンズがラインオフするとすぐに中通快遞(ZTO Express)のスタッフがラベルを貼り、集荷して輸送車両に積み込み、全国各地へ迅速に発送する。配達会社のスタッフが生産工場に常駐することで、宅配便の取扱件数が増加し、物流コストが削減された。今年、丹陽市の宅配企業と眼鏡メーカーの提携により、宅配便取扱個数は1500万個を超え、前年比で30%増加した。宅配業界と製造業の深い融合が、宅配の領域をさらに広げている。全国には製造業の業務収入に寄与する100万元超の宅配プロジェクトがすでに1910件あり、製造業の発展、質と効率の向上を後押ししている。
1500億個という数字は、中国の宅配便がこれから到達していく新たな段階の1つに過ぎない。今後、市場の需要が拡大し続け、物流網の整備が加速するにつれて、中国の宅配便は引き続き新たな記録を打ち立てていくだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2024年11月21日