各国が歴史的責任を担い、歴史的進歩を後押しすべき
習近平国家主席は18日、第19回主要20ヶ国・地域(G20)サミットで重要演説を行い、「飢餓・貧困との闘い」や「グローバル・ガバナンス機構改革」という議題をめぐり、中国の理念と主張を明らかにし、グローバル発展の支援に向けた中国の8つの行動を発表するとともに、経済、金融、貿易、デジタル、環境、安全保障におけるG20の具体的な措置を提示した。習主席の重要演説は、グローバル・ガバナンスの整備やグローバル発展の直面する現実的問題の解決に向けた重要な理念と指針を示し、共同で発展する公正な世界の構築や、公正かつ合理的なグローバル・ガバナンス体制の構築に向けたコンセンサスを形成し、力を結集するものである。(人民日報コラム「和音」掲載)
共同で発展する公正な世界を築くためには、各国が共同で歴史的責任を担い、歴史的主体性を示し、歴史的進歩を後押しする必要がある。習主席は「世界の繁栄と安定を『貧しい者はさらに貧しくなり、富める者はさらに富む』ことを基に築くことは不可能であり、各国はより包摂的で、より普遍的に恩恵を及ぼす、より強靭なグローバル発展を後押しするべきだ」と指摘した。各国は貿易・投資、発展協力などの分野において資源の投入を増やし、発展促進を担う機構を強化する必要がある。発展途上国が持続可能な生産と生活様式を採用し、生態文明を構築することを支援する必要がある。開かれた包摂的で差別のない国際経済協力環境を構築し、普遍的に恩恵を及ぼすインクルーシブな経済のグローバル化を後押しする必要がある。多国間主義を堅持し、国連中心の国際体制、国際法に基づく国際秩序、国連憲章の趣旨と原則に基づく国際関係の基本準則を維持する必要がある。各国が団結し協力してこそ、共同で発展する公正な世界の構築という目標を達成することができる。
中国は常にグローバル発展事業を支える行動者であり、着実な実務者である。中国はすでに貧困層8億人全ての貧困脱却を実現し、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の貧困削減目標を前倒しで達成した。中国の貧困脱却の歩みは、水滴が石を穿くようにビジョンを最後まで成し遂げる粘り強さ、不変の意志と奮闘の精神をもってすれば、発展途上国の貧困問題は解決可能であり、弱い鳥でも先に高く飛べるということを物語っている。中国が成功したのだから、他の発展途上国も成功できるだろう。習主席は、グローバル発展の支援に向けた中国の8つの行動を発表した。これは「一帯一路」(the Belt and Road)の質の高い共同建設における連携、グローバル発展イニシアティブの実行、アフリカの発展への支援、貧困削減と食糧安全保障における国際協力への支持などを含み、中国が発展途上国にとって信頼できる長期的な協力パートナーであることを十分に物語っている。国際社会の関係者はグローバル発展の支援に向けた中国の8つの行動について、より公正で包摂的かつ持続可能なグローバル発展の実現に寄与するものと見ている。
共同で発展する公正な世界を築くためには、公正かつ合理的なグローバル・ガバナンス体制の構築で連携する必要がある。現在、「グローバル・サウス」の勢いが群を抜いて増してきているが、グローバル・ガバナンス体制改革は長らく停滞している。16年間の道のりを歩んできたG20サミットは、従来の事業を引き継ぎ将来の発展に道を開き、引き続きグローバル・ガバナンスを整備し、歴史的進歩を後押しする勢力であるべきだ。習主席は、G20が(1)世界経済ガバナンスを整備し、協力型世界経済を構築する(2)世界金融ガバナンスを整備し、安定型世界経済を構築する(3)世界貿易ガバナンスを整備し、開放型世界経済を構築する(4)世界デジタルガバナンスを整備し、革新型世界経済を構築する(5)世界環境ガバナンスを整備し、環境配慮型世界経済を構築するーーことを主張した。また、G20が国連及び国連安保理がより大きな役割を発揮することを支持し、危機の平和的解決に資するあらゆる努力を支持する必要性を強調した。これらは、国際社会が連携して試練と危機に対処し、協力・ウィンウィンの新たな境地を切り開くことを後押しする重要な原動力となる。
国際経済協力の主要なフォーラムであるG20は発足当初の初心を忘れず、リオデジャネイロから新たに出発し、パートナーシップを発揚し、真の多国間主義を実践し、困難と試練に打ち勝つための強大な力を結集するべきだ。中国は各国と共に時代の責任を担い、共同で発展する公正な世界を構築するために連携し、共同で発展し繁栄する素晴らしい未来を切り開くことを望んでいる。(編集NA)
「人民網日本語版」2024年11月21日