「科創天府・智匯蓉城」イベント開催 水素エネルギー産業チェーンに焦点を
12月6日、「科創天府・智匯蓉城」科学技術成果マッチング・実用化シリーズイベントの水素エネルギー分野特別技術革新マッチング会が四川省成都市で開催された。水素エネルギー分野の30社余りの企業、大学・研究所、産業パークの代表は成都の水素エネルギー産業の発展における協力のチャンスについて話し合った。
水素エネルギー及びエネルギー貯蔵分野に根を下ろした氫啓能源技術(成都)有限公司(以下、「氫啓能源」)は、設立からわずか1年で、その製品はすでに「氫馬児」自転車(水素自転車)、家庭用水素貯蔵システムなどのシーンで実用化を実現している。イベントでは、同社の創業者である張強さんが同社のコア技術と製品を詳しく紹介した後、急速に参加者たちの注目を集めた。
「イベントが提供してくれたプラットフォームのおかげで、私たちはより多くの人に『見られ』て、理解されました。とても感謝しています。イベントが終了してすぐ、西南石油大学の唐春さんは私たちと連絡先を交換して、初歩的に、来週から会社に現地調査して交流協力する事項を計画しています」と張強さんが述べた。また、大学は基礎理論研究において、企業は技術実用化においてそれぞれ優位性があり、産学研(産業・大学・研究機関)が強力に連携すれば、将来的に大きな協力の余地があると語った。
実際、唐春さんは今回、ニーズと課題を持って会場に来た。「大学の教員として、私たちは企業が水素エネルギーや新素材などの分野で直面している実際の問題点はどこにあるかを知りたいと考えています」現在、同氏の研究チームは再生可能エネルギーによるマルチエネルギー相互補完の調整、波動性に対応する電極素材の開発をめぐってブレークスルーを遂げており、産学研連携を展開することで、企業の技術のアップグレードに支援を提供するだけでなく、大学の研究成果を市場ニーズに応じて、実用化のスピードを加速させることができると期待しているという。
「現在、水素エネルギーの人気度が上がり続けています。四川省は『行動プラン』を発表し、水素エネルギー全産業チェーンの発展に政策サポートを提供し、成都も水素エネルギーを重点産業チェーンの一つとしています」と語った成都岷山緑氫能源有限公司テクニカルディレクターの廖長江さんから見ると、成都さらには四川全体における水素エネルギー産業の発展の見通しは非常に広いという。
水素エネルギー産業のコア技術の研究開発に注力している岷山緑氫社がこのほど、成都高新西区に初めて完全な生産チェーンと生産能力を持つセルスタックの生産ラインを完成し、生産能力は年間3MWに達し、生産額は1億元を超える見込みだという。廖長江さんは、「われわれも今回の交流の機会を通じて、成都の水素エネルギー産業チェーンの企業を深く理解し、将来の協力の機会を模索したいと思います」と述べた。
成都王牌商用車有限公司の李鴻さんも廖さんと同じ考えを持っている。「この度のマッチングイベントは非常に的確でした。個々の企業にとって、産業チェーンの川上・川下の企業が集まって垂直産業分野の発展、遭遇した技術のボトルネックなどについて話すのは得難い機会です。政府がこの場を設けたことで、成都の水素エネルギー産業の『製造、貯蔵、輸送、使用』の4つの段階に携わる企業を集めただけでなく、産業パークや金融機関も招いてくれました。このように、川上・中・下の企業はここで互いに発展ニーズを理解し、革新協力のルートを模索することができるだけでなく、即時のフィードバックと応答を得ることもできます」と李さんは述べた。
成都経済開発区(龍泉驛区)にある西部水素エネルギー産業パークには、すでに7社が入居しており、さらに3社が年末前後に入居する予定だ。同産業パークの馮鑫副総経理は、「当パークは今月末までに全体的な建設を完了する見込みです。現在入居契約している企業は水素エネルギー及び新エネルギー、自動車、スマート製造などの産業をカバーしており、研究開発・事務処理、小規模・パイロットテスト、高付加価値製造シーンを含みます」と説明した。
馮鑫副総経理によると、今後、水素燃料電池産業チェーンの川上・川下企業が西部水素エネルギー産業パークに集積するよう努力し、パーク設立・完全入居という目標を実現していく。今回のマッチングイベントについて、馮さんは「今回のイベントは科学技術と産業、技術と市場の結合のカギをつかみ、良いプラットフォームを構築し、より多くの水素エネルギー産業チェーンの川上・川下企業に当パークを理解してもらい、パークも企業に向かうようにしました。類似のイベントを多く開催したらいいなって思っています」と述べた。
企業が技術発展の最前線のトレンドをどのように把握し、競争優位性をさらに強化すべきかについて、清華四川エネルギーインターネット研究院の関係責任者によると、企業は差別化発展に注意し、同質化競争を避けるべきだとしている。水素エネルギーの特殊性のため、企業は水素エネルギーの使用効率の向上にのみ注目することができず、水素エネルギーの使用安全と寿命という問題も軽視できない。
「企業は水素エネルギーの先端技術と多元的な応用をさらに模索することができます。例えば光による水素貯蔵のほか、建築などの分野での水素エネルギーの応用も掘り起こす価値のある『ブルーオーシャン』です。最終的に、企業、パークは産業チェーンにおける協同協力を強化すべきです」と同責任者は述べた。