中国マレーシア関係の新たな「黄金の50年」を開く
習近平国家主席が12年ぶりにマレーシアを国賓として訪問した。訪問期間中、中国とマレーシアは二国間関係及び関心を共有する国際・地域問題について踏み込んだ意見交換を行い、各分野における両国間の交流と協力の深化について一連の重要な共通認識に至った。習主席の今回の訪問によって、両国の伝統的な友好関係が一層深まり、政治的相互信頼が強化され、現代化における協力が推進され、文明間の交流と相互参考が促進され、中国マレーシア運命共同体の構築が新たな段階へと押し上げられ、中国マレーシア関係の新たな「黄金の50年」が開かれた。(人民日報コラム「和音」掲載)
中国とマレーシアは海を隔てて相望む友好的近隣国であり、伝統的な友好関係は千年にわたり連綿と続いてきた。国交樹立から50年余り、互いの努力によって、中国とマレーシアの関係は盤石なものとなり、時を経るにつれていよいよ堅固になり、すでに政治面では相互尊重と相互信頼、経済面では互恵・ウィンウィン、文化面では参考にし合い促進し合う親密な友人にしてパートナーとなっており、両国民に確かな利益をもたらしている。2023年、両国は中国マレーシア運命共同体の共同構築について重要な共通認識に至り、二国間関係に新たな歴史の章を開いた。今回の訪問において、習主席は高水準の戦略的な中国マレーシア運命共同体の構築について「戦略的自律性の堅持、高水準の戦略的協力の実施」「発展に向けた力の結集、質の高い発展における協力の模範作り」「幾世代にもわたる友好の継承、文明間の交流・相互参考の深化」ーーを提言し、中国マレーシア運命共同体の構築を推進するための方向性を示した。マレーシアの最高元首であるイブラヒム国王は「マレーシアは対中関係を非常に重視しており、国際情勢がいかに変化しようとも、中国と手を携えて共に歩み、協力・ウィンウィンを図り、高水準の戦略的な運命共同体の構築を推進する」と表明した。
中国とマレーシアは共にアジア太平洋の重要な発展途上国、新興市場エコノミーであり、グローバル・サウスの一員でもある。国際秩序と経済のグローバル化が打撃を受けている現在、両国は地域各国と一致団結し、共同で地政学的状況や陣営対立の暗流を阻止し、一国主義や保護主義の逆流を突破し、アジアの素晴らしい発展の未来をしっかりと守るとの共通認識に至った。訪問期間中、両国首脳は多岐にわたる二国間協力文書30件余りの交換に立ち会った。査証(ビザ)相互免除協定の署名を契機に、両国は交流や協力を強化し、民心の通じ合いを促進し、伝統的な友好関係を継続していく。両国は、発展戦略の連携を深め、強みによる相互補完と互恵・ウィンウィンを図り、手を携えて現代化の道をしっかりと歩むことで一致した。中国はマレーシアの良質な農産物の中国市場進出が増加することを歓迎するとともに、中国企業に対マレーシア投資・事業展開を奨励している。マレーシアのアンワル首相は「激動する世界を前に、中国は常に理性的かつ揺るぎない、信頼できるパートナーだ。マレーシアは中国の確実性を重視しており、歴史の知恵と未来への希望による導きに従い、常に中国にとって揺るぎない、原則を堅守する友人であり続ける」と表明した。
中国とASEANの協力は、地域協力において最も実務的で、最も成果に富む協力だ。マレーシアは今年のASEAN輪番議長国であり、中国ASEAN関係の調整国でもある。中国はマレーシアがASEAN輪番議長国としての役割を果たすことを支持しており、地域の国々と共に中国ーASEAN自由貿易圏アップグレード議定書を早期に締結し、開放と包摂、団結と協力によって「デカップリングやサプライチェーンの分断」、「科学技術の独占・封鎖、障壁の設置」、関税の濫用を阻止し、平和・協力・開放・包摂というアジアの価値観によって弱肉強食のジャングルの掟に応え、アジアの安定性と確実性によって世界の不安定性と不確実性に対処することを望んでいる。マレーシアは「世界や地域の課題において中国の果たしている重要な役割を重視しており、ASEAN中国関係のさらなる発展を推進し、平和で繁栄する未来を共に築くべく尽力する」と表明した。
中国とマレーシアの友好は悠久の歴史の中で育まれ、文化的融合の中で成長し、互恵の中で揺るぎないものとなり、風雨同舟の中で高められてきた。これは、「心を以て付き合い、誠意を以て接し、義を以て拠り所となし、和を以て貴しとなす」という共通の価値観を示しており、両国民の歴史的知恵と勇気を体現しており、両国にとって共通の貴重な財産である。新たな歴史的出発点に立ち、中国はマレーシアと共に、高水準の戦略的な中国マレーシア運命共同体を構築し、中国マレーシア関係の新たな「黄金の50年」を開き、両国の現代化により大きな弾みをつけ、グローバル・サウスの団結と協力の模範となり、地域さらには世界の平和・安定・繁栄の促進に新たな、より大きな貢献を果たしていくことを望んでいる。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年4月21日