新たな業務プラットフォームが始動 重要な一歩を踏み出したデジタル人民元

2025-09-29 10:38:00

デジタル人民元の発展が重要な一歩を踏み出した。9月24日、デジタル人民元国際運営センターが本格的な運営を開始し、三大業務プラットフォーム――「デジタル人民元クロスボーダーデジタル決済プラットフォーム」「デジタル人民元ブロックチェーンサービスプラットフォーム」「デジタル資産プラットフォーム」が上海市で発足したのだ。

中国人民銀行デジタル通貨研究所イノベーション部の呂遠ゼネラルマネージャーによると、デジタル人民元国際運営センターはデジタル人民元のクロスボーダー及びブロックチェーンのインフラ整備を継続的に進め、国内外の金融インフラとのクロスボーダー・コネクティビティを強化していく。

清華大学国家金融研究院の田軒院長は、「デジタル人民元テスト事業の持続的推進から国際運営センターの設立に至るまで、中国の金融開放の歩みは常に技術革新と歩調を合わせて進んできた」とした上、「デジタル人民元の発展がまた重要な一歩を踏み出したことは、中国が国際金融システムにおけるディスコース・パワーを高めるための重要な布石であり、世界のクロスボーダー決済システムの改善に、開放的・包摂的かつ革新的な中国の力を提供するものだ」と語る。

現在、従来のクロスボーダー決済システムは効率の低さ、コストの高さ、普及率の低さ、透明性の不足といった問題に直面している。「デジタル人民元クロスボーダーデジタル決済プラットフォーム」はこれらの問題の解決を模索している。

「デジタル人民元クロスボーダーデジタル決済プラットフォーム」はすでに香港特別行政区の高速決済システムとの接続を完了し、今年9月には、より柔軟で効率的な接続戦略を打ち出し、スマートコントラクトなどの技術手段を活用して監視・管理の透明性を高め、取引状況のリアルタイム追跡をサポートするなどの機能強化を行った。

交通銀行運営・チャネル部の王海東ゼネラルマネージャーによると、このプラットフォームによって「ワンストップで全世界対応」を実現し、銀行は顧客により効率的で低コストなクロスボーダー資金決済サービスを提供することができる。

また、「デジタル人民元ブロックチェーンサービスプラットフォーム」は、ブロックチェーンの発展過程におけるペインポイントである、オンチェーン決済を的確にとらえている。

ここ数年、ブロックチェーンは貨物輸送、貿易、製造、エネルギー、行政などの重点分野への融合が加速しており、スマートかつ効率的なオンチェーン決済・清算はクロスチェーン取引の効率向上における重要な一環となっている。

専門家は「デジタル人民元ブロックチェーンサービスプラットフォーム」は標準化されたクロスチェーン取引情報転送、オンチェーンでのデジタル人民元決済サービスを提供でき、これにより参加者の接続コストを低減し、様々なシナリオや産業のブロックチェーンの取引効率を高め、資金・情報・貿易の流れのオンチェーンでの効率的な協同を実現することができると指摘する。

呂ゼネラルマネージャーは「『ブロックチェーンサービスプラットフォーム』は、クロスチェーンを通じて複数国の中央銀行が連携するデジタル通貨ブリッジなどのクロスボーダー金融インフラと接続することで、デジタル人民元のクロスチェーン・クロスボーダー決済をサポートし、サプライチェーン金融やクロスボーダー貿易決済の質の高い発展に寄与する」と語る。

田院長は、「デジタル人民元国際運営センターの戦略的価値は、技術的ブレイクスルーや制度的革新にとどまらない。そのより深い意義は『多国間協力・ウィンウィン』のデジタル通貨エコシステムを構築することで、国際通貨体制の多極化への発展を推進することにある」と語る。

次の段階として、デジタル人民元国際運営センターは各参加機関との協力を推進し、安全で効率的かつ包摂的なクロスボーダー決済・デジタル決済エコシステムの構築を後押しし、デジタル経済の質の高い発展と高水準の対外開放に、より良く寄与していくという。(編集NA)

「人民網日本語版」2025年9月28日

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