外資系企業が中国での研究開発投資を相次ぎ拡大するのはなぜ?

2025-10-31 14:41:00

今年の外資系企業の中国における事業展開には、中国での研究開発投資を拡大する企業が増加し続け、研究開発センター設立ペースが加速しているという明確な傾向が見られる。統計によれば、今年9月末時点で、上海の外資系の研究開発センターは累計631ヶ所に達し、北京では1月末時点で累計221ヶ所に達している。人民日報が伝えた。 

その中には大型の投資も少なくない。少し前にはドイツの自動車部品大手ボッシュ・グループが江蘇省蘇州市にある蘇州工業パークと事業協力に調印し、今後5年間に約100億元(1元は約21.5円)を投資して、スマート運転産業イノベーションプロジェクトを展開すると決定した。プロジェクトでは、先進的なフルスタックスマート運転システムソリューションおよびスマートコックピットのソフトウェア・ハードウェア関連製品の研究開発と生産に焦点を当てる計画だ。

何度も投資する外資系企業もある。浙江省嘉興市では、デンマークの工業企業ダンフォス社が27億元の追加投資を行い、中国で2番目となるパーク建設を進めており、研究開発、テスト、生産、展示を一体化した未来型工場とゼロカーボン産業パークを構築する。これは同社にとって過去20年間で10回目の追加投資にあたる。

外資系企業が相次いで中国での研究開発投資を展開または強化しているのは、中国の投資環境を楽観視しているだけでなく、中国のイノベーション環境も重視しているからだ。

中国は巨大な消費市場を持つだけでなく、最も活力に富んだ市場でもあり、多くの新しいトレンドやニーズは最初に中国で生まれている。ドイツの医薬品大手バイエル社を例にすると、2023年末には、同社が手がけるヘルスケア分野の消費財では、中国でのイノベーション製品の売り上げが世界でのイノベーション製品の売上のうち15%を占め、単一市場として最高の割合だった。

多くの先端技術の分野において、中国は今や市場のリーダーとなっている。今、中国に投資するのは、単なる現地化戦略だけではなく、それ以上に世界を視野に入れ将来を見据えた先見的な措置だ。「中国で研究開発を行い、世界に寄与する」ということは、多くの多国籍企業が競争力を維持・向上させるための内在的なニーズとなっている。

中国では政府から企業、消費者に至るまで、革新的なことに対する高い受容性が、技術と市場の好循環を生み出している。スマート運転やインダストリアル・インターネット(産業のインターネット)であれ、医療・ヘルスケアやグリーンエネルギーであれ、中国市場は新しい技術と新しい製品にコンセプトの検証から商業化に至る全プロセスを提供することができる。

中国の「磁力」と高水準の対外開放は切り離せない。政府調達分野における外資系企業への内国民待遇の実施から、イノベーションメカニズムにおける対外知的財産権保護の強化まで、ビジネス環境の継続的な最適化により、外資系企業の持続的な投資拡大と中国の開放拡大が相互に促進し合う関係が構築されている。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年10月30日

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