中国式現代化と世界——新中国成立75周年記念シンポが大阪で開催
多角的視点で読み解く中国式現代化の世界的意義
内容が豊かな中国式現代化は、経済発展、テクノロジー・イノベーション、環境保護、貧困脱却難関攻略、社会統治において比較的整った制度モデルを形成してきた。中日両国の専門家や学者は基調報告やスピーチで、それぞれの研究分野の観点から中国式現代化の世界的意義と現代的価値について議論し、中日両国の将来の協力に向けた新たな見識や考えを提示した。
范大祺副院長
当代中国・世界研究院の范大祺副院長は「日本人から見る『中国式現代化』」をテーマに、日本の人々の中国式現代化に対する認識を分析。日本の回答者の7割近くが、両国は友好的な協力関係を継続すべきだと考えていると、世論調査のデータを元に指摘した。また、シンクタンク間の対話と協力の深化、中日メディアの連携と民間交流の強化を通じて、両国の相互理解を促進するよう呼びかけた。
木村知義氏
北東アジア動態研究会主宰でジャーナリストの木村知義氏は、「中国の特色ある社会主義が新たな歴史段階にステージを上げて高い段階の社会主義を目指すことが、中国の『質の高い発展』を導き出す原動力になる。中国と中国式現代化への認識を深めることが、私たちの中国理解を時代にかなったものとしていくことになるとともに、これからの日中関係を力強く発展させる土台になると考える」と期待を込めた。
郭洋春氏
立教大学前総長で立教大学教授、立教大学経済研究所長の郭洋春氏は豊富なデータや事例を挙げ、「一帯一路」構想が世界的なインフラ建設と世界貿易の発展を促進する上で果たした重要な役割を指摘した。さらに中国経済に対する消極的な言説はまったく通用しないとし、中日韓三カ国が利害の一致点を見出し、ともに「観光共同体」を構築することに期待した。
田代秀敏氏
インフィニティの田代秀敏チーフ・エコノミストは中国経済の現況について全面的な分析を展開し、「中国経済は不動産などの分野で困難に直面しているが、依然として強靭性が有る。テクノロジー・イノベーションなどの分野で新たな成果を上げている」と指摘。中国とのデカップリングは日本の利益にはならないとし、日本は既存の経済安全保障政策を放棄し、中国との協力を実現すべきだとの見解を示した。
富坂聰氏
拓殖大学海外事情研究所教授でジャーナリストの富坂聰氏は中国式民主の実践に焦点を当て、「中国式民主は課題を汲み上げる能力が高く、確かな実績も積み上げられている。万能薬のような民主はなく、中国には中国に適した民主があり、生存こそ最大の民主という考え方をもっている」と指摘した。
川村範行氏
名古屋外国語大学名誉教授で日中関係学会副会長、東海日中関係学会会長の川村範行氏は、浙江省訪問で見聞きしたことへの所感を語った。特に浙江省の地域発展、都市と農村の格差縮小の促進に向けた取り組みに深い感銘を受け、中国が「中国の経験」をさらに世界に提供すべく、「共同富裕」への挑戦は世界への貢献につながると述べた。
魏有美氏
シンポジウムの締めくくりには中国駐大阪総領事館の魏有美副総領事が登壇し、「中日両国には互恵・ウィンウィンの伝統と基盤、さらなる発展の可能性と余地があり、互いの発展モデルを理解することは、信頼を高め、疑念を払拭し、相互信頼の基盤を築くために大きな意義がある。このシンポジウムが、日本人にとって中国式現代化を理解する新たな出発点になってほしい」と期待した。
今回のシンポジウムには中日両国の政界、専門家、学者、メディア代表など150人あまりが出席した。
人民中国インターネット版
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