世界を変えた中国の進化と深化の10年
新たな時代に向けて歩む中国と世界の未来 こうして「変わる世界」と中国の10年について考察を重ねている時、実に興味深い言説に出会った。 「中国が世界のどこかで何かを試みると、その国の政府や住民が何を望んでいるかも十分に考えずに、とにかく対抗しようとする罠にワシントンははまっている」として「中国との競争がアメリカの外交政策を疲弊させ始めている」と警鐘を鳴らしているのである(「米対中戦略の落とし穴-ビジョンなきゼロサム思考の弊害」ジェシカ・チェン・ワイス米・コーネル大学教授「フォーリン・アフェアーズリポート」米外交問題評議会2022.10月号)。ワイス氏はさらに重ねて「国際的なルールや制度がアメリカの国益や価値観を反映しなくなるほどに、北京に影響力を譲るわけにはいかないだろう。しかし、もっと大きなリスクは、中国の影響力に対抗することにこだわるあまり、国際システムを麻痺させ、他の大国による代替的国際システムの模索を促し、既存の国際システムを弱体化させてしまうことだ」と述べている。 中国とは立ち位置を異にすることは当然として、しかし、まさに的を射たと言うべき「危機感」が率直に語られている。「動く中国」によって世界が大きく変わりつつあることを冷静に見つめ、直截に語っているとも言えよう。このような現実認識が登場してくることが、中国の存在が、とりわけこの10年の中国の動きが世界にとってどれほど重い意味を持つことになっているのかを如実に物語るものとなっている。 そして忘れてならないのは、こうした中国の歩みの土台を成すものとして、新時代の中国の「新たな発展理念」があり、現代的社会主義建設に向けて「新たな発展段階」に入ったという、過程と段階についての歴史を画する確たる認識があってこそ、中国の存在が、今まさに世界を動かす重要な動力を生む源になっているということである。それゆえに、未来に向けて中国こそが新たな世界秩序への胎動を牽引する存在となっていく、そのことを確信させる「中国この10年」である。 人民中国インターネット版
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