神秘の大峡谷越えて出会う少数民族の熱いおもてなし

2024-10-21 10:27:00

情熱的な生活を体験 

恩施の活気あふれる大地は、壮大な自然景観や豊かな食文化だけでなく、独自の少数民族文化と情熱的なライフスタイルでも訪れる者を魅了している。トゥチャ族の「トウガラシを塩代わりにする」食習慣に象徴されるように、ここの人々の性格や生活もまた、火のように熱く、情熱的だ。この熱情は民族の祝祭に特に顕著に表れている。 

祭りといえば、トゥチャ族の「女児会」を語らずにはいられない。これは「東洋のバレンタインデー」とも称される独特な民俗行事で、トゥチャ族の若者たちが恋愛や結婚の自由を追い求めるロマンチックな祭りだ。毎年旧暦の7月12日には、村々で盛大なイベントが行われる。若い女性たちは、「亮折子」または「三滴水」と呼ばれる内側が長く外側が短い民族衣装をまとい、おめかしをする。彼女たちは、青年男子たちと物の売買を通じて知り合い、歌を介して心を通わせ、理想の相手を見つける。今日では、若者たちの結婚や恋愛の方法は昔とは異なっているが、恩施の「女児城」トゥチャ族風情街では、女児会のにぎやかな雰囲気とパフォーマンスを今でも味わうことができる。 

最も素朴なトゥチャ族の生活に触れたいなら、本物のトゥチャ族の村落である彭家寨がお薦めだ。彭家寨に足を踏み入れて、まず目に飛び込んでくるのは、独特の「吊脚楼」。これらの建物は山の斜面に沿って段々に連なって建てられ、起伏に富んだ山肌にしっかりと根を張るように、周囲の自然環境と調和している。近づいてみると、吊脚楼の木材にはさまざまな模様が彫られていることに気づく。「この木彫りは、私たちの祖先の狩りの話を描いているんだよ」と、吊脚楼の修繕をしていた高齢の男性が教えてくれた。遠路はるばる訪れた私たちを見た彼は、座って一息つくよう勧めてくれ、やがて彼の妻が家の中から出てきて、「いらっしゃい。さあさあ、うちの油茶湯を味わってみて」と熱心に地元の飲み物をふるまってくれた。これはトゥチャ族の伝統的なおもてなしの方法で、祭りでも日常生活でも、トゥチャ族の人々は常に、心からの笑顔と情熱的な態度で訪れる者を迎えてくれる。 

夜のとばりが降りるころ、一日の労働を終えた村人たちは、庭に集まりたき火を囲んでおしゃべりを始める。トゥチャ族のほとんどの人々は歌や踊りが得意で、時折誰かが立ち上がって踊り始める。「擺手(バイショウ)舞」はトゥチャ族を代表する踊りの一つで、狩りやいくさ、恋愛、農作業など、トゥチャ族の生活のさまざまな場面を振り付けに取り入れている。祭りがあるたびに、トゥチャ族の老若男女は華やかな装いをしてたき火を囲み、擺手舞を踊る。その踊りには、生活への愛と感謝が込められている。 

にぎやかでリラックスした雰囲気の中で、私たちは村の長老からトゥチャ族の物語を聞いた。「私たちのところでは、亡くなった人を笑って送り、泣いて娘を嫁に出すという習慣がある。『撒爾嗬(サールホ)』は葬送の儀式で、皆が歌い踊りながら故人を送り出し、泣きながら見送ることはしないんだ。でも、新婦は嫁に行く前に必ず泣いて家を出る。これを『哭嫁』と言う。嫁入り前の数日間、新婦は泣く練習をするんだよ」。これらの風習は漢族とは異なるが、トゥチャ族の人々が生命と家族を大切にする理念が伝わってくる。 

燃え盛るたき火を見つめながら、長老がトゥチャ族の山歌を歌い始めた。火の光が人々の顔を照らす。皆が歌い、語り合い、笑い合っている。夜が深まるにつれて、恩施への愛もますます深まっていった。 

 

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